あなたside
こんにちは!
野々宮あなたです!
ガチャ
お!
あっくんが帰って来たみたい!!
バタンッ!!!
ぅおっと……?!
これは、ご機嫌斜めなご様子……。
バンッ
私の彼氏のあっくんは、ジャニーズWESTととして活動している、桐山照史。
テレビで見るあっくんは、本当にキラキラしてて、かっこよくて、楽しそうで……!
あ、普段もそうなんだよ?
でも、今日はちょっと違うみたい……。
うわ、めっちゃトゲトゲしてる……。
まぁ、これくらいじゃへこたれないけどねぇ(笑)
……舌打ちは酷くない?
だって、私はなんも悪くないよね??
そこにいるのが気まずくなったから、お風呂に入る事にした。
服を脱いで、シャワーを浴び、湯船に浸かると、なんか急に虚しくなる。
だってさ!
正直、私、関係ないじゃん!!
仕事で何があったか知らないけどさ、あの態度はなくない?!
そりゃ、ジャニーズとか芸能人とかはストレス溜まる仕事だとは思うよ?
でも、私だって仕事だったし!
疲れてるのは私も一緒!!
あー、もうムカつく!!!!
……でも、そんな状態でも自分の家じゃなくて、私の家に帰って来てくれるんだ、って思っちゃう自分がいる。
ドンドンッ
確かに温まり過ぎたかも……。
うん、そーだよ。
急いで身体を拭いて服を着た。
やば……。
聞かれちゃったかな……?
照史が風呂に入っていく
あっくんはきっと聞こえてないと思ってる。
最後の言葉を。
地獄耳を持つ私には聞こえてしまった。
『ほんま、気ぃきかねぇなぁ。』
私は「先に寝ます。戸締りよろしくね。」というメモをテーブルに置いて寝室へ向かった。
布団の中に潜り込み、声を殺しながら静かに泣いた。
照史side
分かってる。
完全にやつあたりや。
全部、俺が悪い。
あなたが気を使ってくれてるのだって気づいてた。
でも、さっきの俺はそれさえも馬鹿にされてる気がして……。
って、あ"ぁ"ぁ"……、こんなの言い訳やん………。
風呂からあがって、身体を拭き、服を着てリビングに行くとメモ用紙が置いてあるのに気づいた。
スマホを取り出してLINEを開いた。
ずるいな…とは思ったけど、あなたの所に行く勇気はなく「そっちに行ってもええかな?」と送った。
あなたside
ピロンッ
『そっちに行ってもええかな?』
あっくんの精一杯なんだろうって思った。
でも、なんて送ったらいいのかわからない……。
すると、既読を確認したのだろう。
立て続けにLINEがきた。
『今からそっち行く。』
そしてすぐに閉めたドアの方に、あっくんの気配を感じた。
一瞬、自分が固まったのが分かった。
あぁ、私……。
今、あっくんが怖いんだ……。
コンコン
さっきとは違う、優しいノック音。
………あっくんだ。
あっくんの声だ……。
優しい、いつものあっくんの声。
でも……。
一生懸命堪える涙。
こんな事で泣くな、自分。
ガチャ
そう言って、ベッドに座ってる私の横に腰をおろしたあっくん。
あっくんの事を見つめる。
いつも以上にハの字になってる眉。
……そんな顔、しないでよ。
笑い飛ばして終わらせるつもりだった。
なのにどんどんあがってくる、瞳の水位。
だめ。
泣くな。
あっくんは、人に泣かれるのが嫌いなの。
今泣いたら、あっくんに嫌われちゃう……。
でもそんな思いも虚しく、溢れてくる大粒の涙。
止まれ……。
止まって………っ!
ギュッ
あっくんの大きな腕の中に顔が埋まる。
……温かい。
あっくん………。
……あぁ、やっぱり、温かい貴方が好きだな。
―――――――the end
こんにちは!
作者でーす✨
第2作目は、美々っちゃんさんリクエストの、『ご機嫌斜めな照史✖彼女』という事でした!
どうでしたか??
ご期待に添えたでしょうか……?
実はこのお話、プリ画の方で投稿したものをちょっと改良したやつなんで、「あれ、見た事ある……?」って人もいるかもです笑
ではでは、お気に入り🌟、いいね❤、リクエスト、コメント、よろしくです!
また、次回作でお会いしましょう!
バイバーイ👋
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。