私はそれから部屋に引きこもった。
涙が枯れても泣き続けた。
それに比例するかのようにずっと大雨だった。
そして、数日後の朝…
私は無言で手紙を受け取り部屋に戻った。
それは、穂が書いたという手紙だった。
あなたへ
あなたがこれを読んでるってことは私はもういないんだね。本当のこと言えなくてごめんね。そして、自分を責めたりしないでね。多分、死んでしまう前に言ってるとは思うけど…
いざ手紙を書くってなると何を書けばいいのかわからなくなるねw
あとあなた、お願いだから後を追うなんて考えないでね。そんなことしたら怒るからね!あなたは私が生きれなかった分を生きてほしいの、楽しんでほしいの。だから、笑っていてね。
さようなら、私の親友
穂より
私は泣いた、でも、前とは気持ちが少し変わった。
穂の為に生きようと思った。
穂が生きたかったこの世界を、精一杯生きようと思った。
そして、次の日の朝
そして、ずっと休んでいた学校に行く支度をした。
振り返っても、声が聞こえた辺りには誰もいなかった。でも、私は何故か穂だと確信できた。
今日は梅雨の時期にしては珍しく快晴だった。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。