第35話

フエオニ Ⅰ
743
2019/01/22 14:27
え...?





血...?何で?


何で私は、血の付いた包丁を持っているの...?
























「ヒトゴロシ。」



















違う。違うのに...



















「じゃあ、何でお前の目の前に死体がある?」























...え?死体?



私は、恐る恐る、前を見る。






















人間の、死体だ。



血をダラダラ流している。




















私が、殺した...?



















「ヒトゴロシ。」



違う。



「ヒトゴロシ。」



違う!



「ヒトゴロシ。」



嫌だ!





















「ヒトゴロシ。」





















いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!



















夏目 彩葉
はっ...
夢、か...


「ヒトゴロシ。」

その言葉が頭の中で、何回もリピートする。


違うのに、違わない気がする。
如月 千歳
彩葉ー?もうそろそろ夜明けだぞ?
部屋の外で、千歳が私に話しかける。
夏目 彩葉
おーけー!今行くー!





















何か、嫌な予感がする...





















────────────────────────────────






















ウシビ
ウシビ
『皆さーん。』
サシビ
サシビ
『夜が明けましタ。』
ウシビ
ウシビ
『次のゲームは増え鬼でーす。』
サシビ
サシビ
『ルールは簡単。』
ウシビ
ウシビ
『鬼から逃げてくださーい。』
サシビ
サシビ
『鬼に捕まったら...』
ウシビ
ウシビ
『フフッ。何が起こるんでしょうね?』
サシビ
サシビ
『それでは、』
ウシビ
ウシビ
『それでは、』





















『ゲームスタート。』
























増え、鬼...
町の人
鬼だーー!!
町の人
早く逃げろー!
えっ⁉もう⁉
花江 結
皆!取り敢えず、逃げるよ!
結先輩がそう言うと、楓先輩、不破先輩、結先輩の
順で走り出した。
如月 千歳
彩葉!行くぞ!
千歳はそう言って、私の手を掴んで引っ張って
走り出した。
如月 千歳
ったく。昨日と今日といい、
ついてねぇな...
夏目 彩葉
そう?
如月 千歳
あぁ。どっちも、開始直後に
鬼に追いかけられてるから...
確かに...

何か、運、悪いなぁ...























死なないと、いいけど...

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