第8話

カクレンボ Ⅱ
1,260
2018/12/21 15:14
ドクンドクン





















心臓の音がする...



















この心臓の音は誰の音...?




















私?咲田?



















ガタン!
























花江 結
わっ!ちょ、動かないで...
不破 咲田
ご、ごめん...
私たちは今、学校の掃除用具箱に入っている。

何でかって...?

それはもちろん、隠れんぼだから。

でも、掃除用具箱に二人で隠れるのは少し
きつかったみたい。
花江 結
二人で隠れる必用あった?
私がそう質問すると、咲田は
不破 咲田
しっ!声大きい!
と言って、自分の人差し指を私の唇にあてた。

私は小声で『ご、ごめん...。』と謝る。




















『ウガァァァァァァァァァ!』



















花江 結
...⁉
鬼の声...

来たんだ。鬼が。



















私は、息をひそめる。



















お願い...


















見つからないで...



















フラッ





















私は、体勢を崩した。



















そこで、あることに気付く。





















私は、ここ3日間、睡眠を取っていない。




















3日間ずっと、寝ないで逃げ回っていた。




















だから、体勢を崩した。


















けど、こんなときに限って...



















ドン!




















掃除用具箱の扉に衝突する。





















どうしよう。


















気付かれる...





















どうしよう。どうしよう。どうしよう...



















このままじゃ...




















見つかる...






















ギギギ


















掃除用具箱の扉が開き始める...


















どうしよう。見つかる。怖い。




















嫌だ。





















ここまで来て、死ぬなんて、
ゲームオーバーなんて、絶対に...


















嫌だ。





















突然、咲田が私の手を握った。




















今度は痛くない。





















凄く、凄く、優しい。



















ギギギ


















扉が、完全に開いた。



















『ウガァァァァァァァァァ!』



















もう、終わりだ。





















私は、ゲームオーバー。

プリ小説オーディオドラマ