第30話

リスタート
790
2019/01/09 15:54
今日は学校が休みの日曜日。

俺は何故か、彩葉にショッピングの荷物持ちに
認定されていた。
夏目 彩葉
荷物持ち!早く!
如月 千歳
これ以上俺を荷物持ち呼ばわりしたら
コロス。
夏目 彩葉
ひゃー。こわぁーい。
うわぁ。イラつく。
夏目 彩葉
あ!見てみて!
夏目 彩葉
あの洋服可愛いー!
彩葉はそう言って、マネキンが着ている洋服を
目を輝かせながら見つめた。
夏目 彩葉
欲しい...!
彩葉がそう言ったので、洋服に付けてあったタグを
ちらっと見てみた。
如月 千歳
...
夏目 彩葉
これ買う!
如月 千歳
彩葉。値段よく見ろ。
夏目 彩葉
ふぇ?値段?
彩葉がそう言ったので俺は、こくりと頷く。

すると彩葉は、恐る恐る洋服のタグを見る。
夏目 彩葉
...
夏目 彩葉
ヤバいですね。千歳さん。
如月 千歳
ああ。ヤバい。彩葉さん。
夏目 彩葉
何これ!詐欺じゃん!高過ぎる!
如月 千歳
財布の魂がぬけるよ。これ。
夏目 彩葉
あはは。魂抜けるー!
彩葉はそう言って、大笑いした。
夏目 彩葉
アイス食べたーい!
如月 千歳
急にかよ。
夏目 彩葉
こーえんのアイス自販機がいい!
如月 千歳
はいはい。
夏目 彩葉
じゃ、レッツゴー!





















はぁ...



















彩葉、今日はやたらテンションが高いな...























─────────────────────────────────





















夏目 彩葉
はいっ!アイス!
彩葉はそう言って、自販機で買ったアイスを
俺に渡す。
夏目 彩葉
どっか座ろー。
如月 千歳
あそこのベンチでいいんじゃね?
俺はそう言って、少し離れた所にあるベンチを
指差す。
夏目 彩葉
アイス♪アイス♪
彩葉は楽しそうにしながら、ベンチへと向かって
いった。

途中、可愛いとか思ったのはきっと
気のせいだろう。

俺は、彩葉と一緒にベンチに座る。
夏目 彩葉
んー。おいしー。
彩葉って、何でも美味しそうに食べるよな...
夏目 彩葉
うっ...
彩葉が突然、片手で頭を押さえる。
如月 千歳
どうした?
夏目 彩葉
キーンてきた。
如月 千歳
勢い良く食べすぎだよ。
夏目 彩葉
だってぇ...
如月 千歳
あ、アイス垂れる...
夏目 彩葉
え⁉やだぁ!
彩葉はそう言って、溶けて垂れそうになった
アイスをペロリと舐めた。
如月 千歳
ははっ。アイスに全力注ぎすぎだ。
夏目 彩葉
アイスは私の命!
如月 千歳
大袈裟だなぁ。
夏目 彩葉
いいんですー。
あ、可愛い。

とか思ったのはきっと、何かの間違えだろう。




































突然、目の前にぬいぐるみが現れた。



それも、2つ。



















小さい子が持つような可愛いやつじゃない。


なんか、こう、もっと怖い...





















1つ目だけのぬいぐるみと口だけのぬいぐるみ。
ウシビ
ウシビ
こんにちは。僕はウシビ。
サシビ
サシビ
僕はサシビ。
喋った...?
ウシビ
ウシビ
夏目彩葉。
サシビ
サシビ
如月千歳。
ウシビ
ウシビ
君たちは選ばれた。
サシビ
サシビ
選ばれタ。
は?「選ばれた」って...
ウシビ
ウシビ
僕たちのゲーム、楽しんでね。
サシビ
サシビ
楽しんでネ。
ウシビ
ウシビ
それじゃ...
サシビ
サシビ
それじゃ...






















『リスタート』

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