第24話

生きる意味を探す少年 〜1〜
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2020/02/24 12:24
如月 リクト
……。
みんなが仲のいいやつと固まる昼休み。
俺、如月きさらぎリクトは自席で本を読みながら、
購買のパンを食べていた。
俺に友達は一人もいない。
いや…俺は友達を必要としなかった。
別に友達とかクラスで1人でいないための存在
だから、1人でいいやって思う俺には友達は
必要なかった。
まぁ、唯一困るのはクラスでチーム分けとか
をする時くらいか…


それにしても俺の生きる意味ってなんだろ…
俺が死んでも悲しむやつなんていないし…
ふと、視界に入った黒板。
前の授業のことが書かれている。
日直は次の授業までに消さないといけない。
日直のやつ、何やってんだよ……。
そんなこと思いながら、俺は日直の代わりに
黒板を消してあげた。
そして、飲み物を買おうと、1階の自動販売機
に向かう。
すると…
如月 リクト
わっ…!
階段を降り、角を曲がったところで、誰かと
ぶつかってしまいその人が持っていた資料を
全部床にぶちまけてしまった。
女子
っ〜、いってーな…
その声に俺は聞き覚えがあった。
如月 リクト
悪ぃ、月野。
月野 トウカ
ったく、気を付けてくれ。
俺がぶつかったのは、月野つきのトウカ。喋り方で
分かると思うけど、いつも男口調で話す。
クラスでもいろんな意味で目立つ方だ。
月野は「ハァ…」と溜息を漏らすと、落ちた
資料を拾い始めた。
俺も手伝い、全部を拾うと月野に再度謝る。
如月 リクト
ごめん、前見てなかった。
月野 トウカ
ああ、大丈夫だ。こっちも前を
あまり見ていなかったからな。
すまない。拾ってくれてありが
とな。
そう言い、月野は階段を上っていった。
自動販売機に行き、お茶を買うと教室へ。
俺が席に着いたところで月野が俺に近づいてきた。
月野 トウカ
如月。
如月 リクト
何?
月野 トウカ
他の人から聞いたが、黒板を私
の代わりに消してくれたって。
何か、またありがとう。
冷めた顔でそれだけ告げ、月野は自分の席に
戻った。
如月 リクト
……。
その日を境に何故か、月野と喋る機会が多く
なっていた。何気ない会話だけど普段誰とも
話さない俺にとってはかなり大変だった。
数ヶ月も喋っているとだいぶ仲良くなって…















ある日の昼休み、購買で昼飯を買って戻ると
俺の席が占領されてた。
ダルいと思いながらも、仕方なく屋上へ。
屋上の扉を開けると、広く青い空が広がって
いた。


屋上にはベンチが1つあったけど、そこには
トウカがいて座れなかった。
トウカは仰向けにベンチに転がって、手には
何故かスケッチブックを持ち、何か。書いている。
如月 リクト
トウカ。
月野 トウカ
ん?あぁ、リクトか。何か用で
もあるのか?
仲良くなった俺達。
いつの間にかお互いに下の名前で呼ぶようになっていた。
如月 リクト
何書いているんだ?
月野 トウカ
オリジナルのキャラ。
そう言って、トウカは起き上がると手に持つ
スケッチブックを見せてくれた。
そこには上手く男の子が書かれ、大きな鎌を
持っている。
如月 リクト
へぇ、上手いじゃん。
月野 トウカ
だろだろ?このキャラの名前
は”ザク”って言うんだ。
如月 リクト
”ザク”?
月野 トウカ
ああ、このキャラはザックリと
した性格だから”ザク”。分かり
やすくていいと思わないか?
如月 リクト
いいんじゃない?てか…
何か俺に似てる気がするんだけど…。
如月 リクト
これ、俺に似てない?
月野 トウカ
そんなことないさ。良かったら
”ザク”のこともっともっと聞い
てくれよ!他にもいろんな性格
とか能力とか!
楽しそうに話すトウカ。
その時のトウカは珍しく笑っていた。
能力とか、何歳児なんだよ…
でも……何か楽しそうだしいいか。
如月 リクト
別にいいよ。
月野 トウカ
おっ、ノリがいいな。でさでさ
この”ザク”が持つのは……
こうして昼休みは屋上のベンチで購買のパン
を食べながら楽しそうに”ザク”について話す
トウカに付き合っている。
いつも冷めた顔をしているトウカが笑ってる
のを見て、いつの間にか自然に俺も笑うこと
ができるようになっていた…

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