私とザクは、病室のベッドに横になっている
ユウ君とユウ君の手を握り泣いているメグミ
ちゃんを見ていた。
きっと、ザクの言う通りなのかな?
私には分からないや。
だって、人間じゃないんだもん。
ザクは元人間で生まれ変わりが死神ってこと
を前に言っていたから分かるかもしれない
けど、私は違うもんなぁ。
私は生まれつき天使。
ザクは元は人間で死神になった。
そこが私達の違い。
ユウ君、いじめのない生活はどうだった?
いなかった友達が出来て嬉しかった?
聞こえないし見えないけど生きる自信は?
ユウ君に聞きたいことが沢山思いつく。
鎌を背中に担ぎ、ザクが少し首を傾げる。
死神に転生したことに対して、呆れたように両手を挙げた。
ザクの顔は黒いモヤに隠れて見えない。
けど、悲しそうな声で返事をした気がした。
そう答え、私は微笑む。
ザクに促され、私達は開いていた窓から外へ
と出た。
私はそして、空へと飛び立った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!