第9話

天才に生まれた少女 〜3〜
616
2018/10/01 09:22
家に着いた私。


玄関のドアを開けるとお母さんが仁王立ちで
立っていた。
三神 アイカ
ただいま…。
お母さん
テストは取ってきたの?
三神 アイカ
……。
私はお母さんに話しかけられたことを無視し
靴を揃えて脱ぐと、自分の部屋に向かう。
そんな私の肩をお母さんが掴んだ。
三神 アイカ
何?
お母さん
テストは取ってきた?と聞いて
るの。早く出しなさい。
三神 アイカ
テストなんて捨てた。
お母さん
なっ!?アイカ!!!
お母さんは怒鳴り顔を引き攣らせると、私に
向かって手を振り上げた。
あぁ、また私を叩こうとしているのか…。
私はしゃがみ、お母さんの攻撃を避けると、
そのまま2階へ。
後ろからお母さんの怒鳴り声が聞こえる。
それを無視すると、自分の部屋に入った。
三神 アイカ
フゥ……。
私は細く息を吐きながら、その場に座った。
三神 アイカ
お母さんに反抗するなんて…、
初めてだなぁ…。
今思えば、私はいつもお母さんのいいなり。
お母さんの言うことに従い続けた。
でも、もう終わり。
私は優等生でも天才でも何でもない。
三神 アイカ
機械を操るとか言ったっけ…
何となく、私はスマホを床に置くと、じっと
見つめて「解除」と唱えてみた。
三神 アイカ
わっ!
スマホは触っていないのにロックが解除され
ホーム画面が映っている。
す、凄い…!!
次に「タクヤにメール」と心の中で唱える。
すると、メール作成画面が出て来た。
三神 アイカ
お、おぉ〜…
私はその調子でスマホを床に置いたまま、
心の中でメールの内容を唱えていく。
すると、どんどん画面に触れていないのに、
文章が作成されていった。
title:今度遊ぼうよ〜
久しぶりに今度遊ばない?
最近、タクヤさ。部活とかで忙しいから遊ぶ
機会もないでしょ?だから、今度遊ぼ!
「送信」そう思うだけでメールは送信された


『そうだな!そのうち遊ぼうぜ!』


タクヤからの返信がきて、私は一安心。
三神 アイカ
こんな感じねぇ…、お母さんに
対する復讐は……。
お母さんは会社でも優秀な社員らしい。
そして、自分に対する扱い方についての愚痴
を私はよく聞いていた。
その愚痴を流して、お母さんが完成させた
資料もぐっちゃぐちゃにして、精神的に追い
詰めていって……
考えるだけで私の顔はニヤける。
正直、お母さんが死んでも私は悲しまない。


私のお父さんはとてもいい人だ。
いつも優しくて面白いことをしたりする。


ある日、お母さんは私への教育方針で喧嘩に
なってお父さんを家から追い出した。
私はお父さんと過ごしたい。


そう思うと、お母さんは別にいらなかった。
夜中、お母さんが寝た頃…
三神 アイカ
そろそろか…
普段なら、こんな時間にベッドから出たら、
確実に怒られる。
だけど、耐えるのもあと少しだけ。
私はお母さんの荷物が置いてあるリビングに
行くと、バッグの中からパソコンを取り出し
パソコンを開くと、パスワードを解いた…

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