「そろそろ、けじめをつけよう。」
そう言って悪魔は消えた。
もう、遅いんだ
悪魔の機嫌をとるのも、もうやめにしよう。
悪魔を怒らせた..自分が悪い。
止められない
どう足掻こうとも。
いるわけ無いと分かっているけれど、
探さないと。
街中を駆け巡って、
気が付いたらもう、夕方。
悪魔はどこに消えていったのだろう。
こんな事考えるのも
馬鹿馬鹿しいと思うけど、
事が始まる前に戻りたい。
そんな事言ったって、何も変わらないけど
神頼みなんて意味は無いけど。
そうするしかないんだ。
ブーッ..ブーブー...
ツーッ....ツー...
携帯のGPSを頼りに
とある廃ビルにたどり着いた。
悪魔が手渡してきたのは、
缶に入っているホットココアだった。
こんな時にこんな物。。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。