"触るな"
悪魔は表に出さないだけで、
今までに無いくらい怒っていた。
瞬間的な犯罪。
目の前で刑事さんが..
一瞬にして、
死んだ。
刑事さんはその場に倒れ込んで、
何をされたわけでも無いのに。
刃物で刺されたわけでもなく、
毒物で殺されたわけでもない、
悪魔はどのようにして、
殺したのだろうか。
一斉に、
周りの警察の人達が
悪魔を、渚を取り押さえようとした。
でも、悪魔は逃げようとした。
そして、悲劇は起きた。
パーンッッ....!!
ビルの中に
銃声が響き渡る。
嘘、そんなわけない。
刑事さんが、渚を撃った。
え?言葉が出ない。
瞬間的に渚に戻った。
悪魔はどこに行ったんだ。
自分が受けた銃弾の痛みを彼女に押し付けて。
酷い奴だ、本当に。
痛い..と渚は泣いている。
最悪の事態が起こってしまったんだ。
速やかに警察が退避する。
現場には、俺と、渚と..
今にも死んでしまう。
何故助けないのか、自分には分からない。
自分の部下を殺されたから?
警察として、人を助けるのは当たり前。
でも、この人は..
目の前で苦しむ渚を見て見ぬ振りをして、
泣きながら倒れ込む。
俺は警察に連れていかれる。
助けて、か細い声で。
誰も助けはしない。
"連続殺人犯"
と言うレッテルを貼られて。
何をするか分からない。
だから助けない、理解に苦しむ理由。
この先、渚はどうなるの?
何もしていないのに、
"連続殺人犯"として死んで行く。
悪魔のせいで。
こ の 馬 鹿 な 刑 事 は 気 付 か な い 。
僕 の 恐ろ し さ に 。
そ こ に 落 ち て い る 拳 銃 で 殺して し ま お う か
僕 の 事 を 馬 鹿 に し た 人 間 は
皆 、生 き て 行 く 権 利 は 無 い 。
こ ん な 腐 っ た 人 間 は 、
い な く な っ た っ て 誰 も 気 付 か な い 。
さ っ さ と 、地 獄 に 落 ち な よ 。
醜 き 人 間 。
パーンッ......
あ の 醜 い 刑 事 は 、 始 末 し た 。
僕 に 逆 ら う か ら
こ ん な 事 に な る ん だ
君 の お 陰 で 楽 し か っ た よ 。
久 し ぶ り に 楽 し か っ た 。
君 と い る と 、
人 間 の 時 の 気 持 ち が 蘇 る 気 が す る
悲 し い 気 持 ち も 、
あ り が と う 。
僕 は 君 の 妻 と し て 生 き て 行 く 。
い や 、 僕 は こ の 体 で 生 き て 行 く
髪 は 短 く 切 っ た 。
僕 に は こ ん な 長 い 髪 必 要 な い
楽 し み だ よ 、
人 間 が い る 世 界 で の 生 活 。
君 は 今 何 を し て い る の か な
ま た い つ か 、 ど こ か で
会 え る と い い ね 。
そ の 時 は 、
僕 は 君 を 殺 し て し ま う か も し れ な い 。
楽 し み だ よ
そ し て 、サ ヨ ナ ラ 。
醜 き 人 間 。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。