第4話

迫り来る謎の男
1,960
2018/12/01 09:24
◯◯
◯◯
はぁ、もう30分も待ってるんだけど

帰りもここまで迎えに来るって約束なのにいつまで経ってもユンギは現れないから嫌気がさして、一人で校門を出て歩き始めた。


迎えの車を呼べばいい話だけど、私は来週開催されるパーティの為にも出来るだけ体を絞りたかったのだ。



◯◯
◯◯
やっぱり迎えの車呼ぼうかしら…


歩き始めて数十分がたった頃。


薄暗い夜道に何だか気味が悪くなってきて、やっぱり迎えの車を呼ぼうと立ち止まって携帯を取り出そうとしたその時だった。


◯◯
◯◯
……っ


ヒタリと首元に冷たくて無機質な何かが当てられ、
謎の男
謎の男
叫んでもしてみろ。
このナイフで首を切りつけるからな。

耳元でする低い男の声に体が硬直した。

◯◯
◯◯
……なに、が目的なの…


恐怖で震える体から何とか声を絞り出す。


謎の男
謎の男
今すぐに500は用意しろ。


幼い頃からそうだった。


私と仲良く遊んでいた子達も、私に告白してきた男子も皆、金とパパに気に入られようとする事しか考えていなくて。


◯◯
◯◯
……貴方に渡すお金なんてない
謎の男
謎の男
この馬鹿令嬢め。望みどおり殺してやる



男はそう言うと、私の首元に鋭いナイフの刃を立ててそのまま勢いよく手を動かそうとした。




ぎゅっと目を瞑ると、同時に滴り落ちる涙。




私は最後に助けてと心の中で叫んだ。

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