私の話はね。テテに言われて考えた私の気持ち。
……
テテに、最近ずっとグクのところに行ってるって言われた。それは、無意識だった。それに特別な感情はないから。
うん……
でも、テテにさっきこう言われたの。
「あなたは、俺が1番じゃない。グクのことが好きなんだよ。」って。
え?……
私は、今までグクのことを“大切な人”って思い続けてきた。でも、最近、“大切な人”ってなんだろって思い始めてて。
……
テテに言われた。「あなたにとっての“大切な人”は、グクへの好きを隠す為のものなんじゃない?」って。隠すなんて思ったことなかった。グクのこと、普通に好きだったから。
……
でね。私グクのところに走りながら考えたの。私は、今までグクのことを好きって思うのを怖がってたんだなって。グクのこと、本気で好きだったから、それを認めて、今までの関係を壊すのが嫌だったの。
……っ
でもね。もう怖くないよ。
さっきのグクの話で変わった。
グクのこと、大好き!
俺は、あなたにそう言われて純粋にすごく嬉しかった。
でも、あなたにはテテがいるんだと思うと、辛くなった。
ありがとう。俺も、あなたが好きだよ。でも、あなたにはテテがいる。お互いに、気持ちを伝えられてよかった。
俺は、立ち上がって帰ろうとリュックを持ち上げた。
“ドサッ”
(リュックの落ちる音)
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。