〈隼side〉
昨日、亜嵐くんからきつめに言われて
"あなたの気持ちはどうなんだよ"
って言葉がどんな意味なのか
全く分からなかったけど
今のままの俺じゃ
あなたちゃんを傷つけることしか出来ないと思うから。
だから亜嵐くんに任せた
こんなこと言える立場でもないんだけど…
一人楽屋でため息をついたら
楽屋のドアが開く
早くね?
って言いながら俺の隣に荷物を置いて
そのまま椅子に座る
玲於は携帯を触って
俺はボーッとしてたら
携帯を置いて、前を向いたまま玲於がそう言う
お互い前を向いたまま話してて
傍から見たらやばいやつら
というか
玲於があなた。って呼び捨てしてることにも
若干の疑問を持ちつつ
そう言うと
玲於がこっちを向く
それにつられて俺も玲於の方を向いたら
そう返すと
呆れた顔でまた前を向いて
それから今までのことすべて話して
はぁ…ってため息をつく玲於
確かに、玲於の言ってることは間違ってないし
俺も、今すぐこんな状況から抜け出したいけど
やっぱり怖いんだよ
そう言われると、考えたことがなかったけど…
そこまで玲於が言うと顔だけ俺の方を向いて
そう悔しそうな顔をして言って
ちょっと飲み物買ってくる。
って楽屋を出た
じゃあもうどうすればいいんだよ……
俺が天井を見ながらそう呟いた声は
楽屋に響いて消えて
また一つ、ため息をついた
亜嵐くんはもう動き出してる。
なんて知らずに
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。