第8話

解決の一歩
1,215
2018/12/26 11:46

〈隼side〉
昨日、あなたちゃんに

”心配してもらわなくて平気です”
って言われて



LINE送ったけど
既読付いたまま返信無しで
隼
……はぁ


俺、何かしたかな、、

って考えてたら



亜嵐
亜嵐
どうした隼、元気無いじゃん
隼
……色々あって…
亜嵐
亜嵐
あぁ、あなたのことか
隼
……………
亜嵐
亜嵐
ふはっ笑
図星笑

俺がまた溜め息ついたら
亜嵐
亜嵐
さ、元気出して。


よし、皆撮影行こ

メンバー皆が
はーい
って楽屋を出ていく


俺も重い腰を上げて楽屋を出る


楽屋の外には玲於が居て
玲於
玲於
隼、お前次は何があったの
隼
…何があったのか分かんない……
玲於
玲於
え?


なんでか。
なんてあなたちゃん本人に聞かないと分からないけど

今、この避けられてる状況で


簡単に連絡なんか出来ない
隼
はぁ……
玲於
玲於
…よく分かんねぇけど、

とりあえず頑張って
隼
ありがと、、


なぁあなたちゃん。

何があったの、?



あなたちゃんの涙の訳を教えてよ。






撮影中もそればっかり考えてたら



カメラマン「隼くん表情暗いかな、?もっと笑顔にしてみて!」
「デート企画だからさ!」

なんて言われて



笑顔で、、?




あぁ駄目だ、、
あなたちゃんの顔が頭から離れない、
ナオ
隼さん、大丈夫ですか、?

俺とペアのモデルさんにまで心配されて
隼
あぁ、すいません、、笑
こういうの慣れてなくて、
見苦しい嘘。
ナオ
そうなんですね、!

リラックスしましょ!笑

そう言って手を組んでくるナオちゃん
隼
ありがとうございます、



カメラマン「あー、そっちの方がデート感出てる!」
「それでいきましょうか」
ナオ
はい!
隼
分かりました



この撮影、今までで一番長い期間の企画


春夏秋冬のデートを再現する為に
一年間通しての企画らしい





一年の間に、あなたちゃんとまた仲良くなれる、?

って、気が付けばあなたちゃんのことばっかり考えてる俺

カメラさんの
じゃあ撮っていきまーす!
って声に我に返って



笑顔を作った


〈あなたside〉

コーヒー屋さんに行かなくなった私は


夜のカフェでの仕事しか一日の予定の中にない
貴方
貴方
ちょっと早めに行こうかなー、、


今は16:50


仕事は18:00からなんだけど、、
貴方
貴方
早すぎるけど、、、まぁいっか


少し化粧をして

身支度をしてから家を出る



貴方
貴方
寒っ………
「人肌が恋しくなる季節」

って言うけど、



こんな時、隣に人が居たら
確かに暖かいんだろうな。って……


そう思った時、頭の中に浮かぶのは隼くんの顔で

だめだめ、って頭を振る
溜め息をついて
マフラーに顔をうずめてから


少し早歩きでカフェまで急ぐ



私が夜に仕事しているこのカフェは


結構新しいカフェ




外見も店内も優しいオーラが漂ってて
あのコーヒー屋さんとは違う雰囲気


オーナーは女の人で、サラさんっていう。

サバサバしていて、すごく頼りがいがある人

さっきも言った通り、
結構新しく出来たからか


昼間はお客さんが多くて、
あんまり接客は得意ではないから


夜の時間帯でいつも入ってる

そのカフェについて、


わざとペンキが剥がれたようなデザインの白い扉を開ける
サラさん
いらっしゃ、、、ってあなたじゃん!笑
貴方
貴方
こんばんはー、笑

もう、早く来ちゃいました笑
サラさん
大丈夫よ、笑

もう今から入る?
貴方
貴方
んー………
サラさん
したくないって顔してる、笑笑

良いわよ、カウンター座っときな笑

こんな感じで、私のことをよく分かってくれてて

第二のお母さん。って感じ
貴方
貴方
今日、あんまり人居ませんね、?
サラさん
そう?
いつもと変わらないけどね、笑


そっかー、、
って呟いたら
サラさん
あなた、?
貴方
貴方
はい、?
サラさん
何かあったでしょ
貴方
貴方
え、、?
サラさん
あ、図星??笑

女の勘ー、
って笑ってるサラさんは綺麗で



隼くんが好きそうな女の人だな、
ってふと思って
貴方
貴方
はぁもう、、、、


忘れなきゃ、

いつでもどこでも。

何かとあれば隼くんが頭に浮かんできてしまう
サラさん
なになに、何を忘れようとしてるの!
貴方
貴方
………あの、サラさん
サラさん
んー?

自分で淹れたであろうコーヒーを飲みながら
話を聞いてくれるサラさん
貴方
貴方
………サラさんは、

忘れたい人が居るとしたら、
どうやって忘れますか?
サラさん
えぇ?難しい質問ね~、笑
貴方
貴方
ほんとですよね、、、笑
サラさん
……ん~、
その忘れたい人っていうのは
自分の好きな人?
それとも、喧嘩した友達とか??
貴方
貴方
………好きな…人です……
サラさん
なるほどね、笑

まぁでも、忘れよう。って思えば思うほど
忘れられないものじゃない?
貴方
貴方
………??
サラさん
だからまぁ、本当に忘れたいのなら
もうとっくの昔に忘れてるわよ。
って話、笑
本当に忘れたいのなら
とっくの昔に忘れてる。

貴方
貴方
…え、じゃあ、
忘れられなかったら、、、?
サラさん
その時は、まだ好きなのよ。

忘れたくても忘れられないのは、
自分の心が、まだ好きだ。って言ってるの
貴方
貴方
自分の、、心。
サラさん
そう。自分の本当の気持ちに反するような恋は
いつか、絶対に後悔する
サラさん
忘れたくないなら、
忘れなきゃいいじゃない
貴方
貴方
……違うんです。
サラさん
え、?
貴方
貴方
好きな人と私は、
何もかも違うんです

そう。何もかも。

住んでる世界だって、
元々の性格だって


隼くんとは180度違う
サラさん
あなた、何言ってんの
貴方
貴方
…え?
サラさん
それが当たり前じゃない。
自分と違う人だから惹かれるの
貴方
貴方
……でも、、
サラさん
そんな初歩的なことでなに悩んでんの?

ここでつまずいてたら、恋なんか出来ないよ


私の目をしっかり見つめて言うサラさん
貴方
貴方
………。
サラさん
とりあえず、その人と話し合ってみな。
一歩進むかもしれないから
貴方
貴方
………はい

隼くんは、なにか思ってることあるのかな、、


サラさん
よし、!
あなた、仕事始める時間だよ!
頑張ろ!
貴方
貴方
はい、!



今日、、連絡してみようかな、、

って思えたのは、サラさんのお陰
隼
……あなたちゃんに電話してもいいかな、、

二人のすれ違いが解決するのはもうすぐのお話

プリ小説オーディオドラマ