第9話

期待
1,165
2018/12/27 11:45

〈あなたside〉


私が働いてるカフェは24時間営業だから


結構夜遅くまで働く。




今日は23:00までだった
貴方
貴方
……ふぅ…

サラさんが言ってた通り、

今日はお客さんの数は変わってなくて
むしろ、多かったかも、
貴方
貴方
…疲れた…

そう言うと口から白い息


もう冬だなー、なんて思ってたら




携帯が少し振動する


画面には
”隼 から二件のメッセージがありました”
って文字




あれから結局返せてなくて、

心臓がバクバクしながらそのメッセージを見たら



『あなたちゃん、夜遅くにごめんね』
『今、電話できる?』
貴方
貴方
……電話…

”一回話し合いなさい”
ってサラさんの声が頭に響く



よし、逃げちゃだめだ。


「返信出来なくてごめんね」
「大丈夫、出来るよ」


って返したら早めに既読が付いて
かかってくる電話


貴方
貴方
………もし…もし
隼
…あ、あなたちゃん、?
貴方
貴方
うん…
隼
えっと……夜遅くにほんとごめんね
貴方
貴方
いや、大丈夫だよ、
隼
寝ようと、、してた?
貴方
貴方
…いや、!大丈夫、!
隼
そっか、!
それなら…良かった…
貴方
貴方
……どうしたの?

本当は、
隼くんごめんね。
って最初に言わなきゃいけないのに


どうしたの?
って聞いてしまう私は最低だ
隼
……あの、さ
貴方
貴方
うん、?
隼
…あなたちゃん、ごめんね
貴方
貴方
え?
隼
…この前、あなたちゃんが泣いてた時
なんか…失礼なことしたかな。って思って
あなたちゃんが俺のせいで傷付いたりしてたなら、本当にごめん
違う、隼くんは何も悪くないよ。
って言いたいのに


隼くんの優しさと罪悪感で涙が溢れて
うまく言えない
隼
えっ……あなたちゃん、泣いてる、?

言わなきゃいけない。

隼くんは何も悪くないよ。
私のせいでごめんね。
って
貴方
貴方
……隼くん、ごめんなさい
…本当に、ごめんね
隼
……あなたちゃん、?
貴方
貴方
…隼くんは、、何も悪くないの。

私が、、勝手にあんな態度取って、、、
ごめんね

隼くんは、理由を言ったら、怒るかな。

それとも、許してくれるかな。



でも、、言うなら、直接言いたい
貴方
貴方
隼くん、
隼
どうした、?
貴方
貴方
今、どこにいる?
隼
今?今は会社に居るよ

そう。

隼くんは有名人で私は一般人。


それでも、、、、好きなんだ

貴方
貴方
………会えたり…するかな…?
隼
…うん、!大丈夫、!
貴方
貴方
……この前の道で…待ってるね


隼くんが分かった。
って言って切れた電話


この前の道まで少し急ぐ



着いて少しだけ待ってたら
隼
あっ…あなたちゃん、!

走って息を切らしながら来た隼くん
貴方
貴方
……走らなくて良かったのに、、、
隼
…あなたちゃんに会える、
って思ったらいつの間にか走ってた、笑

はぁもう本当に隼くんはずるい。


期待するってば、、、
隼
でも、急に会える?って
どうしたの?あなたちゃん
貴方
貴方
……えっと…
色々と隼くんに言いたいことがあって、、、
隼
…うん?
貴方
貴方
……私がこの前、
隼くんを避けちゃったのは、、

隼くんが有名人だってことを知っちゃったから
隼
…………
貴方
貴方
私と隼くんは、違う。
って思いこんで、、、

隼くんとうまく話せなかった
貴方
貴方
有名人に君付けなんかしちゃって
連絡先まで交換して、、、、、

あぁもう私何やってるんだろう。
って
隼
…………
貴方
貴方
…私は………
隼くんと関われるような人じゃない、、、
貴方
貴方
………この話聞いて
私と関わりたくない。って思ったなら
それでも大丈夫だy………?!

最後まで言い終わる時に
急に目の前が真っ暗になる
隼
………あなたちゃん…バカ
貴方
貴方
え、?
隼
俺が有名人、とかそんなの関係ないよ
俺とあなたちゃんは何も違わない
隼
それに、関わりたくなかったら
連絡先なんて交換しないから、、
貴方
貴方
………隼くん…

私がそう言うと

離れて私の顔を見る隼くん
隼
……また、俺と話してくれる、?


…隼くんは、

何も違わない。って言ってくれた。



ちゃんと、真正面から向き合ってくれた
だから、もちろん
貴方
貴方
……うん、!

私も、隼くんの言葉を
信じてみたい
隼
…はぁぁぁ……

良かった………
貴方
貴方
え、?
隼
俺、このままあなたちゃんと話せなかったらどうしよう。って思ってた
貴方
貴方
あはは笑
大袈裟だな笑

まぁ、私も思ってた。
なんて言えないけど、、、笑
隼
それほど心配だったんだって!笑

隼くんはいつも期待させるよね
貴方
貴方
期待してばっかり、、、
隼
ん、?
貴方
貴方
、、、え、あ、んーん!なんでもない!
…帰ろっか!

そう言って歩きだしたら
隼
期待、してもいいのに

なんて言葉が後ろから聞こえて
貴方
貴方
………え、?
隼
……っ…ごめん、なんでもない!

よ、よし!帰ろう!
送ってく!

家、俺と同じ方向かもしんない!
って、

さっきのは何だったの?
ってくらい違うから
貴方
貴方
…そっか、!

って返して。



でも
容量の悪い私の頭は
”期待、してもいいのに”
って言葉でいっぱいだった

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