〈あなたside〉
私が働いてるカフェは24時間営業だから
結構夜遅くまで働く。
今日は23:00までだった
サラさんが言ってた通り、
今日はお客さんの数は変わってなくて
むしろ、多かったかも、
そう言うと口から白い息
もう冬だなー、なんて思ってたら
携帯が少し振動する
画面には
”隼 から二件のメッセージがありました”
って文字
あれから結局返せてなくて、
心臓がバクバクしながらそのメッセージを見たら
『あなたちゃん、夜遅くにごめんね』
『今、電話できる?』
”一回話し合いなさい”
ってサラさんの声が頭に響く
よし、逃げちゃだめだ。
「返信出来なくてごめんね」
「大丈夫、出来るよ」
って返したら早めに既読が付いて
かかってくる電話
本当は、
隼くんごめんね。
って最初に言わなきゃいけないのに
どうしたの?
って聞いてしまう私は最低だ
違う、隼くんは何も悪くないよ。
って言いたいのに
隼くんの優しさと罪悪感で涙が溢れて
うまく言えない
言わなきゃいけない。
隼くんは何も悪くないよ。
私のせいでごめんね。
って
隼くんは、理由を言ったら、怒るかな。
それとも、許してくれるかな。
でも、、言うなら、直接言いたい
そう。
隼くんは有名人で私は一般人。
それでも、、、、好きなんだ
隼くんが分かった。
って言って切れた電話
この前の道まで少し急ぐ
着いて少しだけ待ってたら
走って息を切らしながら来た隼くん
はぁもう本当に隼くんはずるい。
期待するってば、、、
最後まで言い終わる時に
急に目の前が真っ暗になる
私がそう言うと
離れて私の顔を見る隼くん
…隼くんは、
何も違わない。って言ってくれた。
ちゃんと、真正面から向き合ってくれた
だから、もちろん
私も、隼くんの言葉を
信じてみたい
まぁ、私も思ってた。
なんて言えないけど、、、笑
隼くんはいつも期待させるよね
そう言って歩きだしたら
なんて言葉が後ろから聞こえて
家、俺と同じ方向かもしんない!
って、
さっきのは何だったの?
ってくらい違うから
って返して。
でも
容量の悪い私の頭は
”期待、してもいいのに”
って言葉でいっぱいだった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!