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AS TA, NOHARAkOENDE,A TA ,
愛があれば読めるはず。
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廣中さんが言うところ、「恋」だそうだ。
この学校は、数学は教室移動する教科だ。
そして、数学の先生は評判が悪い。
しかし、廣中さんはそうは思わなかった。
数学の先生は、皆が見ていないだけで根は
いい人だと知っているからだ。
だから、机に落書きをした。
「数学の先生はいい先生」と。
そしたら次の日、机に
「俺もそう思う。」と
返事が書かれていた。
それがなぜか嬉しくて、返事に返事をした。
そしたら返事が返ってきた。
それが何度か続いて、いつしか廣中さんは
落書きに返事をしてくれた人に恋をした。
愛があれば読めるはず...愛...アイ...。
なんだ、簡単じゃん。
2個目のヒントを言ったら、蘭がそう言った。
意味が分かったようだ。
廣中さんが首をひねる。さすがに分からないか。
廣中さんはそう言って、図書室を出て行った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!