同じクラスだった田村くんは気さくでした。面白くて運動神経もよくてみんなの人気ものでした。女子からの人気も凄かったと聞いてます。そんな田村くんとは凛音は普通にクラスメイトとして接しておりました。けれど凛音は異変に気づき始めたんです。
下校途中、凛音は後ろに誰かいるって思ったんです。凛音は怖くて怖くてそのまま走って帰りました。次の日も次の日も多分その人がいたと思います。けど、振り向く勇気がなかったのでそのまま友達に相談はせず家の近くまで送ってもらっていました。
学校祭の打ち上げでクラスのみんなで食事をしたあと解散しました。田村くんは私と同じ家の方向だと言ったので他の友達とも一緒に帰りました。けど、みんな私の家まで送ってくれたんです、1人も欠けずに。みんななんで凛音の家知ってたの?と、聞くと「田村が教えてくれたんだよ」と言いました。凛音は田村君を家にいれたことはないはずでしたが…
凛音は昼休みに田村君にお話があると言って二人で話しました。田村君はなんで私の家知ってたの?と、聞くと田村君は「凛音ちゃんが可愛いからだよ」と、冗談めかして言いました。凛音には全く冗談には聞こえませんでしたが…
それからも、後ろから足音がするということは続きました。凛音の机の中に凛音の洗濯して干してあったはずの下着が袋に入っていてからは外に出ることが出来ず家にこもっていました。凛音は思ったんです、凛音はこのまま、あの人がいる世の中じゃ天使にはなれないと。
だから貴方様にお願いしたいと思ってご相談いたしました。
雷夜さん、凛音のお願い聞いてくれますか?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。