第13話

本間 夕人③
241
2018/03/28 01:23
《配信当日》
今日だ。俺は俺のためにアイツを戒めるんだ。雷夜さんにも協力してもらった。頑張れ、俺。












さぁ、始まる。
俺もそろそろ動こうか
ふと、視線を感じた

「おい、お前いつまで隠れてんだ?」
ニヘニヘと笑いながら依頼人はドアを開けてでてくる。やつは最近でいうと松田悠菜のときにお世話になった、女性のいわゆるこの業界の《お掃除屋さん》である。
「さすがー気づくの早いねーー」
感情が一切揺れ動いていないようなその声はいつ聴いても気味が悪い。
「今回も死体がでるってきいたから飛んできちゃったんだー」
小さく舌打ちをしてから、「あぁ」と返事をした
だからなんなんだ?
「楽しいことやるんでしょ、ついていかせてもらうよ」
そういってこいつは俺のあとをついてきた
俺は家をあとにした。
ガツンガツンと鈍い音と共に鮮血が飛び散る
俺は「シッシッ」と息を荒くしながら釘を相手の手首と足首に打ち付けた
雷夜さんと隣にいるフードを深くかぶった人間はこちらを見つめている

俺は俺の復讐のため、木の板に相手を縛り上げ打ち付けている。
灰色の壁に赤い模様がたくさんついている
準備オーケー?
雷夜さんは言った
カウントを始める
5…
自分の鼓動が早くなっていくのが感じられた
4…

3…
目を閉じて眠りについている相手を見上げた
2…

1……
《イッツショータイム》
不可解な電子音と共に動画の生配信が始まる。黒いお面をつけて俺は堂々としゃべる
「この世界は腐っている。俺が天誅を下す。カーストだの自分のことしか考えれないクズども、1人の命と差し替えに考えを改めよ」
そこまでしゃべったあと磔にされている相手の首にありったけの力を込めて釘を打った。骨と骨の間を隈無く打った。ナイフで眼球をえぐりだした。
舌を切り刻み、カメラに向かって投げつけた。下半身と上半身をやっとバラバラにしてこれから部品ごとに切断していこうと思った時、ふと、気がついた。
『俺はやりすぎている』
楽しくて楽しくて仕方がなかった。
けれど雷夜さんはここまで言っていない。背中にゾッと気持ちが悪いものが走った。恐怖で恐怖で苦しくなった。
ゆっくり後ろを振り返った。
黒いお面はだいぶ前に剥がれ落ちていた、、
「ら、雷夜さっ」


パンッ









銃音と同じタイミングで動画は終わった
《バッドエンド》
電子音が鳴ったのが耳に聞こえたのは二人しかいなかった

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