私は目を閉じた。
1、2、3、4、、、
目を開けると
目の前には、先輩がいる。
数えても、数えても、、
目を開ければ現実がある。
先輩は私のことが好きだったんだ。
香りが好き。
人として好き。
嬉しかった。
でも、
それを受け入れるわけにはいかないんだ
床に横たわったままの沈黙の中。
彼が歯を食いしばりながら
頬を涙が伝う姿。
私は、先輩を抱きしめた。
抱きしめながら、謝り続けた
多分高校のときに
伝えていてくれたら
現実は違ったはず、、、
「で も あ な た に は シ ュ ア が い る」
誰かにそう言われている気がして
我に返る。
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ジフンside
「ごめんなさい」
謝り続けるくせに
抱きしめてくる彼女には
申し訳なかった。
俺は自分勝手なやつだ。
でもな、あなた。
あなたに旦那がいようと
関係ないんだ。
奪いたい。
香りも。
あなたも。
そして、あなたの心も。
全てを俺のものにしたいんだ。
お願いだから、
そばにいてよ。
お前じゃないと、、
だめなんだ。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!