第67話

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4,389
2019/05/01 03:38


電車に乗って



駅を降りて


小走りでもいいから急ぐ。






点滅する青い信号、、




まだ間に合う、、、!











ガシッ





ウォヌ
ウォヌ
そんなに急いでッ、、!
ウォヌ
ウォヌ
ひかれたらどうするんですか、、!
U
U
ウォヌさんッ、、、
ウォヌ
ウォヌ
危ないですよ、、
U
U
行かなきゃいけないんですッ、、!
ウォヌ
ウォヌ
どこに、、?
U
U
だ、旦那さんのところ、、
ウォヌ
ウォヌ
嫌だ。
U
U
えっ?
ウォヌ
ウォヌ
行かせたくない、、!
U
U
でも、今行かないと、、、!



掴まれている手の


強さと怒りを感じつつ




彼の思いが





彼の香りによって




伝わってくる。





U
U
どうしてッ、、!
ウォヌ
ウォヌ
今この手を話したら
もう会えなくなりそうで、、、!
U
U
そんなことないです!
U
U
お花買いに行きますからッ!
ウォヌ
ウォヌ
そうじゃなくて、、!
ウォヌ
ウォヌ
花を目当てにするんじゃなくて
僕に会いに来てほしいんです、!
ウォヌ
ウォヌ
だから、、
いま旦那さんの所に行ったら
ウォヌ
ウォヌ
もう僕の所へは
来てくれない気がして、、!
U
U
ウォヌさんっ、、
U
U
でも、行かなきゃ、、、



信号が




もうすぐ





青に変わる。














U
U
でもっ、、




変わった。






U
U
行かなきゃ、、っ!
U
U
ごめんなさい、、、!




切なそうな


彼の表情。




掴まれていた腕に



じわじわとゆっくりと



痛みが走る。


青になると同時に走り出す。




私の足は止まらない。










結構遠い。













彼の会社について




受け付けに向かう。






出入口の自動ドアでさえ




開くのが遅くて


イライラする。









U
U
あの、、
しゅあさんいますか、、、?
受付
受付
あ、ホンさんですね
少々お待ちください
受話器を耳に当てて、
連絡をとる受付の人を待っていると


自動ドアから入ってきた。





女性と楽しそうに入ってきた。





しゅあ、、、




そんな笑顔で笑うんだね。




私も人の事言えないけど、




あなたも言えないね。








U
U
あ、やっぱり大丈夫です。
受付
受付
あ、そうですか?
今いらっしゃらないみたいで、、、
受付
受付
あ、、
帰ってこられましたよ、、、
受付
受付
あの女性の方と仲いいんですよね
あの方が奥さんですかね、、
U
U
ほんとですね
すみませんッ失礼します



奥さんは私だっての。









いいな。




そっちも仲いいんだ。









泣くな。私。









彼に見つからないように、






会社を出た。












あの時、





ウォヌさんに止められているのを






ためらわず、






足を止めておけばよかったと







後悔。

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