雅紀side
俺があなたを好きなのは変わらない。
翔くんに、頼まれたからとかではない。
あなたと出会った頃から好きだった。
一目惚れってやつかな…
でもあなたはまだ翔くんが好き
俺は翔くんになれない。
翔くんより、幸せに、出来る自信が無い。
なのに、なんであんなこと言ったんだろう。
考えても答えは出なかった。
諦めよう考えるの。
苦手だしね……
ただ気持ちを知って欲しかっただけだと思う。
明日、どんな顔して会ったらいいんだろう
ほんとに自分勝手だな〜
つくづく思うよ。
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あなたside
翔が死んでから新しい恋なんてしようと思ってなかった。
ずっと翔のことが好きなんだろうと思った。
けど、何でかな…
雅紀に「好き」って言われたとき嬉しかった。
雅紀に「返事はいい」って言われたときすごく悲しかった。
こんなこと今まで思ったこと無かった。
雅紀は翔が死んでからずっと一番近くで支えてきてくれた。
いつも、私のことを考えてくれてた。
自分のことより私のとこを最優先してくれて、毎日保健室まで迎えに来てくれて。
優しくて、面白くて
いつもそばにいてくれて
まさか、自分が雅紀のこと好きと思ってたなんて思わなかったな。
いつからなんて分からないけど、気づいてたのかもしれない。
自分の気持ちに
でも、気づかないふりをしていただけなんだろう。
明日ちゃんと言おう。
雅紀は、いいって言ってたけど、ちゃんと自分の気持ち伝えよう。
『今までありがとう。
私も雅紀のこと好き』
って。
言わなきゃダメなんだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。