第3話

#1 私は視た、悲しい焼き“肉”
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2019/02/12 12:02






それは、友達と焼き肉に行っていたある日の事。

「食べ放題3000円って鉄板だよな」

「しかも学割で更に500円引きとか、強すぎ……!」

「は~カルビめっちゃ食べたい」

「早く、凛花次のお肉焼いて~~」



とか何とか。口々に喋って。

クラブの仲良しメンバー男女5人位で食べに行ったんだっけ。



私も、お肉大好きだったから。

まさか、その時は食べられなくなるなんて思って無かったの。



「凛花は何が好きなの?」

「ん?私?フツーのお肉」



「お肉って、全部肉じゃん?」

「そうそう、種類だって」



「……何て言うか、ホルモンとか軟骨とかカルビとか、そういうのじゃなくて、柔らかくて癖の無いヤツっていうか」

「あ。そーいうことね」

「わかるわ」



そんなことを言われてたっけ。



食べ放題で、時間制限もあるからバンバン次のお肉は焼かなきゃだし、食べなきゃだし。

忙しくって。

でも美味しくって。皆と居られるのも嬉しかった。





……の筈、だったんだけどな。







「凛花、何か……様子、変だよ?」

隣に居た優菜に言われて。

私が自分が冷や汗が出てることに気付いた。



その時。私の頭の中は既に恐ろしい風景で占められていたから。



牛。が……



牛が視えていたの。



頭の中に。





でも、その牛は殺されてた・・・・・ーーーーーーーーーーー





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