第2話

#0 ー今日“も”いらないー
212
2019/02/12 11:52
『私が“動物”を食べられなくなった日』





この苦しみが。



いつかは消えることを祈ってーーーーーーーーーーーーーー















「凜花」



私の名前を呼ぶ、声。



「今日も、食べないの……?」

「うん。いらない」



「じゃあね」



私は一言。ごちそうさま、だけ告げて食器を下げる。

洗い場の流しの横に、まだおかずが残ったままの食器を置くと、すたすたと階段を登った。



「凛花、凛花~っ」



ママが私のなまえを叫ぶ。



「もう、あの子ったらどうしちゃったのかしら」



ひそひそ、ママが弟の丈瑠に話しかける声が聞こえてくる。



いいの、いいの、気にしちゃダメなの。





部屋の扉を固く閉じて。



イヤホンは耳の中。

携帯の音楽プレーヤの音量を爆音に上げる。









――――――――――――――――――いつからだっけ。













涙。



わたし、が“お肉”を食べられなくなったの。











ねぇ?





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