第4話

#2 お肉の正体、それは残酷だった
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2019/02/14 12:40




順番に、並んでいた。

牛が、狭い柵の中をとぼとぼと歩く。

やつれたその瞳に、光は無い。

長い睫毛はまるで、これから訪れる未来を予測しているかの様に下を向いて。



順番に、歩いて行く。

その先に、鉄砲を持った人が居る。

順番に撃たれた牛は気絶して。涙を流して。



私はその先を直視することが出来ない。



何故なら牛は、血まみれになって……“刃物”で殺されていたからーーーーーーーーーーーーーーーーー









「凛花!」



私は、何が起こったのか分からなくて。

ただただ前を向いて、お箸を握りしめていた。



「おい凛花、どうしたんだよ」

圭太が、私の向かいで眉毛をへの字にしてこっちを訝し気に見てる。



「ちょっと……その、、」



私は、今の状況を何て説明したら良いのか。

全然分からなかった。



「気分、悪くて」



そう、言葉を絞り出すのがせいいっぱい。



優菜が店内を見回して、

「空いてる席、あるよっ?店員さんに言って、あっちでちょっと休めないかな……」

と私の顔を心配そうな表情で見つめた。



「うん、ちょっとだけ、横にならせて貰っても……いいかな」



急に“お肉”が“動物の死体の肉片”に見えて仕方なくなって。

言い様の無い妙な“気持ち”になっちゃって。



店員さんに声をかえて、空いてる席に横にならせて貰うことにした。



だけど、目を閉じても。

何故かまた、風景が私を苛んだ。





殺された牛は、いつの間にか“解体”されていた。

宙に吊られて、何処かの工場の中を流されていく。



首を落とされて。皮を剥がれて。

気が付いた時には、大きな“肉の塊”に変わっていたーーーーーーーーーー





(これがお肉……)



私は、急に気持ち悪くなって、トイレに駆け込んだ。



さっき山ほど食べた、沢山の“肉塊”が口から吐き出されていったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





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