あなた side
「…あなた!!」
『…え?』
「いいからこっち!!」
『え?は?』
手を引っ張られて連れてこられたのは
誰もいない部室
で
私を連れてきたのは
幼なじみで同級生の
道枝駿佑。
『ちょ、なに?』
「…………」
ギューッ
『…は?』
「…ここなら泣いてええよ」
『なにいって』
「…………」
離してもらおうとしたけど
すればするほど
抱きしめてくる力は強くなって
でもそれが少し心地よくて
自分でもびっくりするぐらい
駿の胸の中で泣いてたんだ。。
「…なぁあなた」
『…ん?』
「……俺にしとけよ」
『え、?』
「俺やったらあなたのこと泣かせたりなんか
絶対にしいひんからさ。。」
『…………』
「絶対そばで支えたるからさ」
…なんて言ってくれる彼。
わたしのことを1番理解してくれてて
そばにいてくれるのは
彼だった。なんて
気づくのはもう少し先の話。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!