あなた side
わたしはずっとすきだった人を
あきらめて
この前告白された
道枝駿佑くんっていう人と
付き合ってる。
すきになって付き合ったわけじゃなくて
忘れたくて付き合ったんだけど
今、ほんと幸せなの。笑
心から彼と付き合えてよかったって思ってる。
「あなた〜」
『ん?なに?』
なんて話しかけてきたのは
幼なじみの高橋恭平。
わたしの 元 すきなひと。
『んー?なんなん?』
「なー、また別れた。笑」
『なにしてんの笑』
「いやなんか振られた?笑」
『チャラチャラしてるからやん笑』
「まぁそーやけどー」
『どーせすぐ新しい彼女できるやん。笑』
「できませんーんん」
『いつも出来とるくせに笑』
「じゃあ、なに?」
『え?なにが?』
「あなたが道枝と別れて俺と付き合ってくれんの?」
『…は?』
「…ッうそ、ごめん、なんもない、忘れて」
『…え、うん』
……ッ、遅いよ恭平
遅すぎなんだよ。。
今、この気持ち伝えることなんて
できないんだよ。
すきだったわ、ばかっ。。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!