山田くんside
俺は昼休みにあなたに無理矢理約束をさせた。
そして放課後。
俺のクラスより早く終わったらしい。
あなたが歩いていた。
しかし次の瞬間、俺は衝撃を受けた。
男が笑ってあなたに話しかけていたから。
あなたも少し話してから、一緒に歩き始めた。
は?誰だっけ…あいつ。
俺は隣の席の女子に話しかけた。
「ねぇ、あの男子の名前って知ってる?」
『あ、は、はい!知ってます!』
さっきまで真面目に先生の話を聞いていた女子が笑顔になった。
「教えてくれる?」
『はい!あの男子の名前は日向 棗くんです!』
ん?日向 棗?何か聞いた事があるような…。
『棗くんは涼介くんの次に人気で有名です!』
その女子はこんな事も行ってきた。
『こんな噂もありますよ?』
『2組の桐山あなたさんが日向くんを好きって…「本当か!?」
俺は思わず大声を出して立ち上がっていた。
『お、どうした山田。』
「あ、先生。すみません。何でもないです。」
取り乱してしまった。
軽く素も出てしまい、クラスのみんなは目を丸くしていた。
俺の素を知っている知念 侑李(俺の幼馴染)でさえも驚いていた。
あーあ。早く終わんねーかな…。
終わったのと同時ぐらいに俺は教室を飛び出した。
あなたに会うために。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。