『おーいあなた。早くしろー!』
秋人が私のところに来た、その瞬間。
『お前、あなたの何?』
山田くんは秋人を睨んだ。
低く、けどハッキリした声で秋人に聞いていた。
『え?何って、あなたの「秋人、早く行こう!」
私はまたもや腕を振り回して、秋人の手を取り走り出した。
『ちょ、あなた?あいつって山田涼介だよな?』
少し走ったところで秋人は立ち止まり、聞いてきた。
そのおかげで、私も立ち止まるハメに。
「そうだけど、何か?」
『いや、あいつ絶対に勘違いしてるだろ。』
何を?意味わかんないんだけど。
「何のこと?」
『俺達を。』
「は?」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。