放課後になり、教室のみんながいなくなった時間。
多分、学年でも残ってるのは私達と部活がある人達だけ。
「誰もいないのに、どうやって探すの?」
『座席表を見て回ればいいんじゃない?』
なるほど、その手があったか。
私は一人、頷いていた。
『この学年は多いからね…。行くよ!』
何やらワクワクしている蘭ちゃん。
でも、確かにこの学年はクラスが多い。
今年は1年9組まである。
私達は1年2組。
「そうだね…行こう。」
私達は教室を見て回った。
分かったことは一つ。
私達のクラス以外の8組の中で窓際の一番後ろの席の男子は2人しかいなかった。
一人は1年1組の山田涼介。
もう一人は1組5組の日向棗。
この2人だった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!