担任に任された仕事を終え、帰ろうと廊下を歩いている時。
ある教室に人影が見えた。
教室の中を覗くも、夕日の光で人がシルエットになり誰かは見えない。
その人は窓側の席の一番後ろから、窓の外を見ていた。
私はそのまま通り過ぎようともせず、その人の事を見ていた。
その人はふと私の方を見てガタッと勢いよく立ち上がった。
しかし、まだ誰なのかは夕日のせいで見えない。
私はその人から目を逸らして再び歩き出した。
『桐山あなた…。』
その人が私の名前を呟いているのも知らずに。
それが私にとって普通の一日が変わった日
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。