1年1組の山田涼介
1年5組の日向棗
「どっちだろ…。」
私はうーんと唸った
『あなた的には?』
「日向くん。」
『即答ね。笑』
だって山田涼介のあの性格は、絶対に裏がある。
それに比べ、日向くんは
「性格がいい。」
山田涼介と比べると、顔立ちはそんなにと言うほどのイケメンではない。
しかし、性格が良くてモテている。
『見つけられて良かったね~。』
「うん。」
私の気になる人は…日向棗くんだ。
翌日の朝
『あなた、日向くんだよ。』
「あ、本当だ。」
まだいまいちピンときていない私を引っ張りながら、蘭ちゃんは日向くんの所まで行った。
『おはよー、日向くん!』
「おはよう、日向くん。」
『あぁ、おはよう!』
日向くんは満面の笑みで挨拶してくれた。
それから軽く世間話をして、私達は日向くんから離れた。
『いい人だね。』
「うん…。」
まだピンとこない。
今の様子を誰かが見ていると、この時の私は気づかなかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。