第43話

✡特定
227
2019/01/06 12:54
火ノ神 琥珀
上様に話を聞くと、ヒントのメールがあったらしく"福岡県内にいる"って…
母さんが軽い食事を作ってくれ、それを食べながら息を整えた琥珀がそう言った。
暁月 朱雀
なら、桜華ビルだろ。
は?野坂ビルですよ。
暁月 朱雀
はぁ?お前、さっきの俺の話を聞いてなかったのか?
そっちこそ。
母さん
こら、茜。何?その口のきき方は。
暁月 璃紅
お兄ちゃん。
母さんと暁月さんの言葉に2人が黙る。
一旦…停戦にしましょうか。
暁月 朱雀
ああ…
ムッとしたまま、2人はそっぽ向いた。
源 翔太
取り敢えず、両方行けばいいんだろ?
暁月 朱雀
…まぁな。福岡で一番高いビルだと、その桜華か野坂のどっちかだ。
源 翔太
友哉、どっちから行く?
三浦 友哉
え、何で俺?
伊月 悠
友哉の勘が鋭いからだろ。
白い部屋のときのことを思ったのか悠が笑いながら俺に行った。
三浦 友哉
ん〜………んじゃ、俺達で桜華ビルを探しに行くか。
暁月 璃紅
では、野坂の方は上様に調査の方をお願いしましょうか、ハク。
火ノ神 琥珀
え、疲れた…。俺、徹夜で九州を1周してきたんだけど…
ブツブツ言いながら窓に近寄ると、笛を吹いた。


すると、何分かして何処からか鳩が飛んでくると、朱雀さんの肩の上に着陸した。
暁月 朱雀
おっ、琥珀。お前、コイツの扱い上手になったな。
火ノ神 琥珀
まぁ、虎徹を育てたらそのくらい…
暁月 璃紅
じゃ、お兄ちゃん。手紙書いて飛ばしといてね。
暁月 朱雀
俺が?
暁月 璃紅
散々、恥になったんだからそれぐらいしてもいいんじゃない?
暁月 朱雀
…紙をください。
母さん
はいはい、ちょっと待ってね。
苦笑いを浮かべながら母さんが紙を取りに行く間、鳩の方を見ると、鳩は床を歩いたり、撫でられて「クルル…」と鳴いたりしていた。
鹿島 瑚子
鳩ってこんなに大人しいの?
暁月 璃紅
この子は訓練したので大人しいです。
暁月 朱雀
璃紅、判子くれ。
暁月 璃紅
持ってないの?
暁月 朱雀
持ってない。
暁月 璃紅
どうして?
暁月 朱雀
部屋にあるから。
暁月 璃紅
……。
暁月さんは無言で巾着から判子を取り出すと、朱雀さんに向かって投げつけた。
源 翔太
判子って?
暁月 璃紅
私達の手紙には名前は書きません。ですので、1人1つ判子を持っていて、それで名前を伝えます。
母さん
へぇ!そんな文化があるのね。ちなみにどんな判子なの?
暁月 璃紅
あ、見ますか?
判子を押して、伝書鳩を飛ばした朱雀さんから判子を取ると、余ってた紙に押す。
暁月 璃紅
ハクは?
火ノ神 琥珀
これ。
ポケットを漁り、判子を押す。
その紙を母さんに渡した。それを横から覗く。
紅葉に月の判子と、炎が虫を閉じ込めている判子。
暁月 璃紅
私は暁月の月と璃紅の紅で色は無理なので紅葉にしました。
火ノ神 琥珀
俺は火ノ神の火と分かりにくいけど、琥珀っぽく。
母さん
面白いわね〜…ちなみに朱雀君は?
暁月 朱雀
ただの朱雀の絵っす…。
そんな話が終わると、家を出る準備をした。
三浦 友哉
じゃ、母さん。行ってくる。
母さん
行ってらっしゃい…。
湊翔
兄さん、頑張って。
三浦 友哉
ああ、もちろん。
そして、俺達は昼頃に桜華ビルへと向かった…。

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