その写真は夜に写したものなのか、周りは暗くて、黒い空には赤い月が浮いていた。
そんな空の下に写るのは和風を着た4人の子供。
並んで写るうちの真ん中に立つ2人は、両脇の子と違い、神職の人のような服装。
髪は珍しい銀髪、顔は布のようなもので鼻より上が見えないようになっていた。
布には紋章がかかれて、何かの像と月と霞が一つにまとめられたものだった。
真ん中の2人は少し違うけど、見覚えがあった。
8年前か…。
朱雀さんは俺の質問の連続に苦笑いを浮かべながらも、手は動かし続ける。
少し悩むように朱雀さんは頭を抱えた。
でも、スグに顔をパッと上げると…
朱雀さんが苦笑いを浮かべ、手を止める。
動かし続けた手を止め、朱雀さんは俺の方を向く。
俺は何故か、ピシッと背筋を伸ばした。
真顔でそう俺に言った朱雀さん。
朱雀さんにそう返事をすると、俺は地下の隠し部屋から出た…。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!