第19話

☪静かな夜
266
2018/12/09 01:54
夜霧 真
……。
……?
やっと寝れたことにより、疲労が全身を襲う。
重たい目を開け横を見ると、ハクが倒れている。
緊急事態…?それとも、普通に寝てるだけ…?
すると、誰かが入ってきて僕の枕元にしゃがんだ。
白鷺 拓海
おやおや、死神はお疲れですか。
夜霧 真
白鷺、拓海……。
白鷺 拓海
おー、僕のこと覚えてたんだ。
夜霧 真
当たり前じゃん。
ゆっくりと体を起こす。
夜霧 真
次はなんの用…
白鷺 拓海
んー、そろそろ君の本心を言ってもらおうかなって。
夜霧 真
はっ…何でさ。
白鷺 拓海
本当は大人が嫌いでしょ?
夜霧 真
!……
図星を指され、僕は黙る。
白鷺 拓海
理由を教えてよ。
ニコニコと笑いながら、僕を見る。
隠しても…無駄そうだね。
夜霧 真
分かったよ…。簡潔に言うと、差別が嫌いだね。見た目、家系の差別とか。
白鷺 拓海
君は消えた夜霧家だよね。
夜霧 真
そう。毎日のようにゴミ扱いされて、殴られる。あの部屋で僕の人生が終わるって思っていた。でも…微かな復讐心とユズ、そして村の人の失敗が僕を檻の外に出したんだ。
白鷺 拓海
目的は?
夜霧 真
世界の平等、差別のない世界だよ。
白鷺 拓海
へぇ…面白いね。聞いて正解だった。
夜霧 真
っ…!
白鷺拓海は立ち上がると、そのまま出て行く。
そのうち、僕は眠りについていた…。




















次に起きると既に朝。
僕は掛け布団をまだ寝ているハクにかけると、枕元に置いてあるスマホに手を伸ばした。
09/07 00:00
To:GM
title:Return
※全国の中学生から29歳の人が対象です
※24時間以内に命令に従いなさい
※命令に背いた場合には罰を与えます

命令:異性とハイタッチをしろ。
夜霧 真
えっ…
あまりにも簡単な命令に僕は声を漏らす。
何でこんなに簡単?
人と争わせたい彼がこんな簡単にするはずは…
考えていると、襖が開いた。
明神 柚輝
おはよう、調子は?
夜霧 真
良くなったよ。
明神 柚輝
それは良かった。それよりさ。
柚輝がスマホの画面を見ながら、不思議そうな顔をする。
明神 柚輝
この命令、どう思う?
夜霧 真
異常な程に簡単だよね…まぁ、はい。
手を向けると、柚輝がハイタッチをする。
僕と柚輝のスマホが同時に鳴り響いた。
夜霧 真
これで今日の命令は終わり、ねぇ…
明神 柚輝
こんなに簡単とか絶対におかしい。
今までの命令とは比べほどにならないほど簡単。
昨日の250m以内に留まるのだって、車に乗っていた人は多く死んだ。と放送されていた。
福岡県の人はここ、京都に来い。
それ以外は異性とキスをしろ。
どっちもかなりの難易度。
福岡から京都まではかなり遠い。
キスだって路上で襲われたりとか気持ち悪い。
異性とのハイタッチなら怪我や襲われることもないから、みんなが命令に従うことが出来る。
……嫌な予感しかしないなぁ…。
そう思ったけれど、命令は決まっているから、何も言うことは出来なかった…。

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