……?
やっと寝れたことにより、疲労が全身を襲う。
重たい目を開け横を見ると、ハクが倒れている。
緊急事態…?それとも、普通に寝てるだけ…?
すると、誰かが入ってきて僕の枕元にしゃがんだ。
ゆっくりと体を起こす。
図星を指され、僕は黙る。
ニコニコと笑いながら、僕を見る。
隠しても…無駄そうだね。
白鷺拓海は立ち上がると、そのまま出て行く。
そのうち、僕は眠りについていた…。
次に起きると既に朝。
僕は掛け布団をまだ寝ているハクにかけると、枕元に置いてあるスマホに手を伸ばした。
09/07 00:00
To:GM
title:Return
※全国の中学生から29歳の人が対象です
※24時間以内に命令に従いなさい
※命令に背いた場合には罰を与えます
命令:異性とハイタッチをしろ。
あまりにも簡単な命令に僕は声を漏らす。
何でこんなに簡単?
人と争わせたい彼がこんな簡単にするはずは…
考えていると、襖が開いた。
柚輝がスマホの画面を見ながら、不思議そうな顔をする。
手を向けると、柚輝がハイタッチをする。
僕と柚輝のスマホが同時に鳴り響いた。
今までの命令とは比べほどにならないほど簡単。
昨日の250m以内に留まるのだって、車に乗っていた人は多く死んだ。と放送されていた。
福岡県の人はここ、京都に来い。
それ以外は異性とキスをしろ。
どっちもかなりの難易度。
福岡から京都まではかなり遠い。
キスだって路上で襲われたりとか気持ち悪い。
異性とのハイタッチなら怪我や襲われることもないから、みんなが命令に従うことが出来る。
……嫌な予感しかしないなぁ…。
そう思ったけれど、命令は決まっているから、何も言うことは出来なかった…。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!