第13話

✡アカツキ リク
289
2018/11/22 10:24
入口を通ると、浴衣を着た女性が、出迎えてくれた。
女性
こんばんは、福岡県の方々でしょうか?
若槻 翔馬
ああ、アカツキリクに用事だ。
三浦 友哉
あの、若槻さん。
若槻 翔馬
あ?
三浦 友哉
そのリクって人に用事があるのでその後でもいいですか?
若槻 翔馬
ま、別にいいけど。
女性
分かりました。ただいま、お呼びしますのでお部屋の方でお待ちください。
暁月 未莉
こんにちは!
女性
あら、未莉ちゃん!前よりもさらに大きくなったねぇ。お母さんは?
暁月 未莉
先にいい所に行っちゃったの!
その言葉に女性は「そっか…」と答えると、部屋に案内してくれた。
伊月 悠
これ、未莉ちゃんは大金持ちのパターン有り得ね?
源 翔太
パターンじゃなくて、実際そうだろ。
瑠川 美玲
話す内容ゲスいからやめて。
コンコン…
「失礼します。」と声が聞こえ、襖が開く。
入って来たのは…女の人。
綺麗な着物を着て、長い黒髪が揺れる。
三浦 友哉
え…
鹿島 瑚子
リ、リクって男なんじゃ…?
暁月 璃紅
私、暁月あかつき璃紅りくと申します。
暁月 未莉
璃紅お姉ちゃん!!
未莉ちゃんが駆け寄る。
暁月 璃紅
お久しぶり、元気だった?
暁月 未莉
うん!
暁月 璃紅
…あ、三浦様は何方ですか?私に御用があるとのことで…
三浦 友哉
俺です。
暁月 璃紅
御用とは?
三浦 友哉
一昨日の夜にあった桜華の舞いについてを知りたいんです。
俺がそう言うと、暁月さんは少し驚いた顔をした。
暁月 璃紅
…そのことについてを話すのには場所を変えたいので、ついてきてください。
源 翔太
友哉、俺も行きたい。
三浦 友哉
ああ。
鹿島 瑚子
行ってらー。
暁月さんに連れられ、別の部屋へ。
椅子に座るように促され、座ると、暁月さんが向かいの席に座った。
源 翔太
えっと…まず、何歳ですか?
暁月 璃紅
今年で18歳になります。
三浦 友哉
えっ、同年代…
源 翔太
瑚子ちゃんと比べたら精神年齢の違いが…
サラッと瑚子を馬鹿にしたような気がしたがきっと気のせいだろう。
三浦 友哉
それで…一昨日の夜のは何だったんですか?
暁月 璃紅
あれは、私達が仕えるあの方達が起こす奇跡です。名前までは言えませんが……
源 翔太
仕えるって何か凄い。
暁月 璃紅
戦国時代くらい昔に、暁月家はその2つの家系に助けられました。ですので、そのお礼として代々仕えています。この旅館とかもただの暇潰しのようなものですので…
暇潰しでこのレベルかよ…。


そんなことを思いながら、"ヒノカミ コハク"
について聞いてみる。
三浦 友哉
"ヒノカミ コハク"って名前の人は知っていますか?
暁月 璃紅
ハクなら、知ってますよ。ハクも私と同じような感じで、ヒノカミ家も助けられたんです。
三浦 友哉
へぇ…。
源 翔太
色々と教えてくれてありがとうございます。
暁月 璃紅
いえいえ、今からご夕食をお部屋の方にお持ちしますのでゆったりとおくつろぎになっといてください。
三浦 友哉
え…食事までもらっちゃって、いいんですか?
暁月 璃紅
はい!もちろん、無償ですよ。困った時はお互い様ですから。
そう言って、暁月さんは微笑んだ。
それから俺達は部屋に戻って、飯を食わせてもらい、風呂に入り寝る。
みんなが疲れで寝静まった11時頃……
肩を軽く叩かれ、俺は叩かれた方を向く。
鹿島 瑚子
起きてる…?さっき渡した本を読んでみたいから貸してくれないかな…?
周りを気遣って小声で瑚子が話す。
あ、そう言えば、俺も読もうとしてたっけ…
三浦 友哉
……俺も読みたいから、一緒にいいか?
鹿島 瑚子
もちろん。
そして、俺と瑚子は布団を抜け出すと、部屋から出た…。

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