【風磨side】
あなたの手を引き30分くらい歩いた
あなたが反抗する様子もなかったし
嫌がっているようではなさそうだ
そのとき突然あなたが立ち止まった
どうした?と聞いたら
『健人くん悲しまないかな…?』
と濡れた子犬のような瞳であなたは言った
ここまできてまだ中島のことを考えてるのか
俺ならこんなことしないし絶対幸せにするのに
なんであなたは中島ばっかり、、
いろんな気持ちが混ざり
無言であなたの手を握りしめた
「あとで言っとくから大丈夫」
そう呟いて下を見ながら早歩きした
それきりあなたは何も言わなかった
家につきあなたを部屋に案内すると
わかりやすく目をキラキラさせて喜んでくれた
「どうせ使わないからこの部屋あげる」
一瞬複雑な表情をしたようにも見えたが
すぐいつもの笑顔で微笑んでくれた
中島のところには帰りたくないってくらい
それくらい幸せにしてやるから
俺のそばにいてくれるかな
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。