第28話

ツンデレ . 27
482
2018/10/15 09:35
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葵「 まだ 」


『 無理 』






葵「 もうちょっと 」


『 駄目 』








葵「 なんで 」


『 時間だもん 』











いつも以上に葵が面倒臭い




理由は簡単

今日は依頼が多くて二人の時間が全然無いから








あ、こんな話してたらそろそろ行かなきゃいけない時間だ








『 そろそろほんとに行ってきます 』


葵「 え、ちょっ 」









葵が何か言ってたけど無視して依頼者との待ち合わせ場所へ向かった








『 おまたせしました!』




相手に頭を下げ微笑む







目の前に居る男の人は少し下を向き気味に




「 …大丈夫です 」

なんて控えめに呟いた







今回の依頼はレンタル彼女



レンタル彼女中はちゃんと相手の方を出来る限り最優先に考えようとしてる







この人少し控えめなタイプなのかな

私から積極的に話した方が楽しんでもらえるかな?






なんて考えて







よろしくお願いします、って言葉と共に手を繋いでニコッと笑ってみる






男の人は顔を赤くしながらまた控えめに

…はい、って






そこからは出来る限り相手の方に喜んでもらえるよう


いつもより積極的に話しかけたり

沢山質問してみたりしながら




相手の方が行きたかった所を回って依頼が終わった






『 今日はありがとうございました 』

『 楽しんでもらえました?』





そう聞いても無反応

楽しくなかったのかな、






『 あの…わっ、』




不意に男の人に包まれる


あ、抱きしめられてる






「 …ぼ、僕と…付き合ってくださいっ!」


『 …え、いや、あの…ごめんなさい… 』







「 …なんで?」

『 え?』







「 僕の事好きでしょ?」

『 いや、そういう感情は… 』





「 今日一日僕にいっぱい話しかけてくれたよね 」

「 明らかに好きな感じだったよね 」






「 僕の気持ち弄んだの?」

「 僕はこんなに君に夢中になったのに 」























「 ああ、そっか僕以外の男と会わせなければいいのか 」




「 僕の家に来なよ 」


「 大事に大事にしてあげる 」










この人やばい、

分かってるのに逃げなきゃ、脳内ではそう思ってるのに




私は立ち尽くしたまま動けなくて



動かない私の手を男が掴む






『 やめっ… 』


「 怖い事なんて無いよ?」









男は二ヤっと笑い歩き出す



終わった、もう終わりだ













…助けて、葵

























?「 ……その手早く離した方が身の為だと思うよ 」


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