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第3話

#3 再開
83
2017/10/20 12:23
あれから2日、毎日公園に通ってるがあの人は来なかった。
もう出会えないのかなとか思いながら今日も待っていた。
9時25分…もう無理かな?と、思いつつあと5分待ってみる。

9時30分…こない。もう少しだけ…もう少し…

9時35分…あと5分待とう。これで来なきゃ帰ろう。

9時40分…もう少しだけ…あと…
高也
高也
この間の子?どうしたんだよ。
あなた

あ、良かった!やっと来てくれた。

高也
高也
それ!大事なメモじゃん。探してたんだ、ありがとう。
あなた

いえ、全然大丈夫ですよ…

高也
高也
え、大丈夫かよ!?熱っ!
ずっと夜待ってたからだろうか、体が冷えてて感覚がない。
私はその場であの人の方に倒れかかった
高也
高也
ちょ、待って。いきなりすぎんだけど。マジかよ。
うっすらと声が聞こえる。
だがほぼ意識がない。

気づいたときには見知らぬ家具と男の人がいた。
高也
高也
お、気づいた?お前熱出して公園で倒れたんだぞ。
あなた

え!?それはごめんなさい。今何時ですか?

高也
高也
朝6時。今日学校ないの?
あなた

学校は日曜なんで…それよりお母さんが!朝帰りなんて…

うちの母は普段は明るく優しいのだが怒るとすごく面倒になる。
5ヶ月くらい前にノリで友達の家に泊まった時は翌日家に入れてもらえなかった。
2ヶ月前には夏祭りで遅くなると電話したのに11時に帰ってスマホ没取された。

高也
高也
俺も一緒に事情説明しに行くから帰るぞ。
あなた

でも知らない人にそこまでしてもらうなんて…

高也
高也
俺は楠木 高也。一応大学生やってる。これでいいだろ?
それに俺なんもしてねーよ。
あなた

高也さん…?でも冷えピタとか、家まで運んでくれたり…

高也
高也
高也でいいしタメ口にしよ。硬いのなんか気持ち悪い。
別にそんくらい平気。ほら、行くぞ。
私は高也に引っ張られ家に帰ることになった。
高也…かぁ。
それに今まで暗かったが明るいところで見ると普通にかっこいい。
元彼もそこそこのイケメンだが元彼よりかっこいいのではないだろうか。

家に着くともちろん鬼の顔で母が怒っていた。
父が小さい頃に不倫して家から出て行ったせいか、私の男関係をよく心配している。
それでも高也は大人っぽかった。
1から自分が悪いと説明し、今後このことがないようにするとまで約束して母を説得した。
その時の後ろ姿が私にはとてもカッコよく見えた。

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