お互い、お風呂に入り終わり、少しした時達也さんが切り出した。
達也さんは昨日、「結婚しよう」と言ってくれた。
もちろん、私が高校を卒業してから。
だから、それだけで十分。
私は、繰り返して呟いた。
正直、達也さんはもうとっくに覚悟が出来ていると思う。
結婚をするまでがどうかわからないけど、付き合うことに関してもかなり覚悟が必要だったはず。
だって、社会人の大人が高校生に手を出すなんて事は、色々考えないと出来ないこと。
しかも、それを隠さず、仕事場の人とかにも「俺の彼女なんだ。」って言ってくれる。
でも、達也さんが「覚悟ができている“つもり”なのかも知れない」と言うのならば……
私は、信じて待つしかない。
私が呼びかけると、こちらを向いてくれた。
それから、テレビを見たり、夕食を食べたり、リラックスして過ごした。
夜寝るときも、手をつないで、一緒に寝た。
この幸せが、これからも、ずーっと続きますように。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。