誰からだろう?
着信履歴を見てみる。
清水さんからだ。
何かあったのかな?
私は急いで電話をかけた。
「もしもし。」
『あ!あなたちゃん??』
「はい、何かあったんですか?」
『えっと…。その、』
『昨日の事、達也から聞いた?』
「あ、はい…聞きました。」
心配してくれてたのかな、?
『そうか、じゃあ大丈夫かな。』
「え?」
『多分、あなたちゃんに話したなら大丈夫。って事だよ。』
「はぁ」
私に話したなら大丈夫ってどうゆう事?
よくわからず、曖昧な返事をした。
『ははっ、』
理解してないなってわかったらしい。
『まぁ、そのうちわかるよ。聞きたかったのはそれだけだから、じゃあまたね。』
「あ、ありがとうございました!」
『ん?なんで?』
「あ、いや。その、達也さんを心配してくれて…?」
『いーえ、これからも達也の事よろしくね。』
「はい!こちらこそ!」
私は電話を切った。
そして、リビングへ向かうと2人の会話が聞こえて来た。
「達也くん、こんな会話必要?」
え…?
達也くん…?
「いや、別に。てか、美紅が話しかけて来たんだろ?」
美紅…。呼び捨て?
なに?どうゆう事?
「まぁ、そうだけど。」
「それに、達也くんが記憶を無くした時も知らないふりしてたから、合わせたけど…」
「このまま隠しておくの?」
2人は何か私に隠してる…?
なにを…?
「私達が…」
「兄妹だって事。」
え…。
兄妹…?
私は驚いてスマホを落としてしまった。
ゴトンッと音がする。
しまった…。
「あなたちゃん…?」
「あ、えっと…。ごめんなさい。立ち聞きするつもりは…」
2人ともどうしたらいいか分からなようだった。
聞いてもいいのかな?
でも、隠してたってことは何か理由があるはず。
だから…
「お腹すきましたよね。朝ごはんにしましょう!」
と私はキッチンへ向かおうとした。
「…聞かないの?」
「え?」
「聞きませんよ。だって、隠してたってことは何か理由があるんでしょう?」
「だから、話してくれるまで私からは聞きません。」
「そうか。あなたちゃんは優しいね。」
「でも…。」
達也さんは美紅を見ると、美紅は頷いた。
「今話したい。聞いてくれる?」
「はい、」
「私が言ってもいい?」
「うん、いいよ。」
美紅はゆっくり、私にもわかるように説明してくれた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!