第15話

美紅目線
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2017/11/11 14:10
ー美紅目線ー

そう。

私達はお父さんが同じ。

でも、お母さんは違う。


それを知ったのは私が小学生1年生の時。

お父さんが事故で死んだ時、

お母さんが真面目な顔をして私に言った。

「美紅、実はね。美紅にはお兄ちゃんがいるの」

「え!?本当に!?誰!?」

私は、ずっとお兄ちゃんか、お姉ちゃんが欲しかった。

きっと私は目をキラキラと輝かせていたと思う。

「その人は、お母さんの子供じゃなくて、お父さんと他の女の人の子供なのよ。」

私はその時何を言っているのか理解できていなかった。

「どうゆうこと?」

「うーん、簡単に言うと、半分兄妹で、半分他人。って感じかな。」

わからない。と言うふうに首をかしげると、

「大丈夫。大きくなったらわかるわ。」

と言った。

「そのお兄ちゃんの名前は、達也くん。」

「それでね?達也くんのお母さん。それと、達也くんのお父さんでもあり、

美紅のお父さんでもある2人が交通事故で亡くなったの。」

「だから、もし、その子を引き取る人が居なかったら、うちで引き取ろうかと思ってるの。」

「達也くんと住めるの!?」

「うん、そうだよ。」

「やったぁ!」

でも、結局住む事はなかった。


今考えたら、他の女と夫の子供と住もうなんてよくそんなことができるなぁ。と思う。

あれから、数年たって、中学生になった時、もう一度お母さんから話を聞いた。

その時はちゃんと理解できた。

小さい頃はすぐに会いたい!と思ってたけど、

お父さんが不倫してできた子供に会おうとは思わなかった。

でも、一回くらいあってみようと思って会った。

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