第20話

水族館デート
1,052
2017/11/19 09:38
「ついたぁー!」

車を降りて、伸びをした。

「あ、ちょっと待ってください。チケット買って来ますね。」

「あ、あなた。俺が買うから良いよ?」

「え?だって今日、達也さんの誕生日ですよ?だからいいんです!」

さりげなく、また“さん”付けで呼んだ。

ちょっと、呼び捨ては私にとってハードルが高過ぎる…。

「うーん、でも、俺はあなたが居れば十分だし、」

私はその言葉を聞いてカッと顔が赤くなった。

「え、いや、その…」

あたふたする私を見て、フッと笑った。

「じゃあ、それぞれ自分で買う?それなら良いでしょ?」

「うん、まぁ、それなら。」

と、チケットを買い、中に入った。


「うわぁ〜!サメおっきいー!」

「あ、この子可愛い!」

「エイだ!うふふ、笑ってる〜。」

などと一人ではしゃいでいた。

あっ、達也さん楽しんでるかな?

と思い、振り返る。

すると、目が合った。

「達也さん、楽しいですか??」

「うん、あなたがはしゃいでて可愛いなーって思いながら見てた。」

「えっ!え?ちゃんとお魚見ましたか?」

「うん、それは大丈夫。ちゃんと見たよ。」

「じゃあ、行こっか。」

と手を差し出された。

「はい!」

私はその手を握り、二人で歩いた。

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