「三浦消防正監に敬礼!」
九条さんの合図でみんな一斉に敬礼をする。
すると、隣にいる慎太郎さんも敬礼を返していた。
え?え?ちょっと待って。よくわかんないんだけど、、
すると、慎太郎さんが、
「まぁ、堅苦しい事は後にして、とりあえず少し休憩しよう。それから色々見せてもらうからね。」
と、微笑んだ。
「わかりました。では今から10分間は休憩とする。各自体調を整えるように。」
九条さんさんはみんなに向かっていう。
「はい!」
あぁ、カッコいい。
息ぴったりで、お腹から声が出てて、シャキッとしてるとこが良い!
「久我くん。お客さんですよ。」
と言い、慎太郎さんは私の肩にポンっと手をのせる。
すると、達也さんは駆け寄ってくれた。
「ありがとうございます。」
と、慎太郎さんに言い、
「どうしたの?何かあった??」
と、心配そうに言う。
「あ、そんなに大変なことじゃないんですけど。はい、これ忘れていっちゃったので。」
「あ、忘れてた!ありがとう。」
ニコッとしながら受け取ってくれた。
「よかったな、達也!」
と、ガタイの良い、大きな人が達也さんの背中を叩いた。
「いてっ、ちょっと、上田さん。痛いです。。」
「あぁ、悪い、悪い!」
えへへ。という感じで謝る。
「俺は、上田剛(ウエダゴウ)だ。よろしくな!」
「あ、よろしくお願いします。私は…。」
「あぁ、知ってるよ。あなたちゃん。みんなのアイドルだから〜!」
「えっ?どういう…」
「上田さんストップ!これ以上はダメです!言わないでー!」
達也さんは上田さんを止める。
なになに!?なんかすごく気になる!
「まぁ、奥さんの前だしな。しょうがない。一つ貸しな?」
お、奥さん!?
私は少し顔が熱くなる。
「上田さん、まだ奥さんじゃないんですよ。」
と、達也さんが言う。
「あれ、そうだったのか。てっきりもう結婚してんのかと思ったよ。お前、この前の飲み会の時…」
「あー!だから!言わないで!一つ貸しで良いですから!」
そんな事までして止めたい話…。
聞きたい!!!!!
「あの、何かあったんですか??」
「いやぁ〜、内緒だけど。一つ教えてあげる!達也ね、あなたちゃんの事溺愛だから。」
ちょっと不器用なウィンクと共に言う。
「で、溺愛…ですか?」
私はますます赤くなる。
「うんうん!あれ、赤くなってる!かわいーなぁー」
「ちょっと、からかわないでくださいよ。」
と、すかさず達也さんが止める。
「本当の事じゃねーか、早く奥さんにしてやれよ。」
再び、上田さんは達也さんの背中を叩く。
「したいですけど…。」
ボソッと呟く様に言った。
上田さんには聞こえてなかったみたいだけど、私にはしっかり聞こえていた。
うわああああ、
嬉しすぎて、どうにかなりそう。
達也さん、私も達也さんの奥さんになりたいです!!
私は熱中症で倒れるんじゃないかと思うくらい、赤くなっていくのがわかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!