そして、しばらく経ってから、音がした。
鬼に気づかれたのだ。
この隠し扉を。
そこには、何も無かったから、隠れることも出来なかった。
でも、その時、私は、閃いた。
姿を消す魔法を使えばいいんだと。
だから私は、すぐにその魔法を使った。
そして、扉が開いた瞬間逃げ出すという作戦だ。
でも、しばらくしても扉は、開かなかった。
私は、罠だと思った。
だから、警戒して、何もしなかった。
でも、三十分ほど経っても、変化無かった。
私は、なんでか分からなかった。
でも、考えれば考えるほど、頭が混乱した。
それに、この魔法もずっと使っていたら、体力がなくなってしまう。
そして、魔法がまた、弱い魔法しか使えなくなる。
今だって、もう三分の一ほどは、減っていると思う。
私は、この魔法を使うのをやめるか、それともこのまま続けるか迷った。
でも、魔法を辞めさせるのが罠なら、今辞めてしまったら、鬼の思い通りだ。
鬼に私達の姿が見れれば、鬼の圧勝になる可能性が高い。
例え体力が全部あっても負けるだろう。
勝てる可能性は、0.1%ぐらい。
だから、鬼は今の私には倒せない。
もっと練習しないと、もっと色んな魔法を覚えないと、もっと強くならないと。
私がそう考えてるときだった。
後ろから音がした。
壁が壊される音。
鬼が来た。
私達は、まだ、透明で鬼には、見えない。
だから、鬼が空けた穴から出て逃げるしかない。
今、行かないと私達は死ぬ。
もう体力が持たない。
だから、早くしないと。
私は、琉と結夢に合図をした後、鬼が空けた穴の方へ行った。
でも、結夢と琉が言った。
『だめー!』
『戻ってこい!』
私は、何でか分からなかった。
だから、周りを見渡した。
そして、気づいた。
もう魔法が解けていた。
遅かったんだ。
間に合わなかった。
そして、私が諦めて戻ろうとした時、鬼が目の前に来ていた。
そして、言ってきた。
『殺す。絶対。』
私は、もう終わりと思った。
でも、その時、結夢と琉が鬼に攻撃してくれた。
すると、鬼は、結夢と琉の方を向いた。
そして、言った。
『邪魔したな。なら、お前らから殺してやるよ。』
私は、誰も失いたくなかった。
失うぐらいなら、私は死ぬ。
だから私は、結夢と琉に近づいていく鬼に向かって言った。
『やめて!お願い。私は、殺していいから。その二人は、やめて、殺さないで!』
でも、鬼が聞くはずが無かった。
『うるせー!俺は、みんな殺す。先に死にたいなら死なせてやるよ。』
鬼は、そう言うと、私の方へ向かってきた。
私は、死ぬ覚悟をして、目を閉じた。
その時、私の身体が光った。
何が起こったか分からないけど、体力が全回復したのは、事実だ。
こんな短時間で。
私は、驚いて油断していた。
そして、鬼が攻撃をしてきた。
急過ぎて間に合わない。
その時、閻魔が助けてくれた。
『何故閻魔が!』
私は、驚きで言ってしまった。
すると、閻魔は、すんなり答えた。
『なんでって。だってさ俺のこの場所を壊そうとしてんじゃん。そんなやつこの場所には、いらねーし。しかも、強いんだろ。お前でも倒せないぐらいに。だから、一旦休戦だ。鬼を倒すために。二人でなら、倒せるだろ?』
私は、信じていいのか少し不安にもなってけど、今は、信じるしか出来なかった。
だから、言った。
『いいけど。邪魔だけは、しないでよ。』
すると、『邪魔なのはどっちだって』と言った。
私は、イラついたけど、我慢した。
そして、戦いが始まった。
でも私には、違和感を感じた。
それは、前よりも強くなってるようなきがしたから。
スピードも早くなってるし、パワーも増えてるような。
そんな気がした。
だから、今なら私は、勝てるようなきがしてきた。
希望が見えてきた。
だから、私は、嬉しかった。
勝てる可能性が少し増えただけでも。
そして私は、閻魔と協力しながら、全力で戦った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。