連続攻撃をしているが、その中でも数回ほどしか王には当たらなかった。
油断は出来ない。
隙をみせたらもう終わりだ。
絶対王を殺して平和を取り戻す!
だが、その瞬間……!!
目眩がした。
何故かは何となく分かった。
きっと、そろそろ時間切れなんだ。
なら、時間切れになる前に殺せばいい。
『もう限界だよな?大人しく捕まるか?そしたら、痛みを感じなくて済むぞ!』
痛みを感じなくて済む?
もう痛みなんて慣れたよ!
謎解き迷路のおかげでな!
でも、別の意味の痛みには慣れないよ…。
大切な人が居なくなったときの痛みは消えることは無い。
何で私は弱いのだろうか。
もっと強くなりたいよ……!
『痛み?そんなのもう忘れた!どうだっていいんだよ!』
私はフラフラになっても諦めなかった。
その時……!!
私の服を弱い力でお母さんが掴んだ。
その後、聞き取るのがやっとの声で言った。
『逃げて..死ぬのは私一人でいいでしょう。貴方まで死ぬ必要は無いでしょう!逃げなさい!私を置いて早く……』
そう言うと、お母さんは目を閉じた。
『お母さん……。ごめんなさい。それは無理だよ!お母さんを置いてけない!それに今、王を倒さなきゃいけない気がするんだ!だから、逃げないよ!最後まで諦めないよ!』
私はそう言うと、お母さんを安全な場所に運んだ。
『本当にお前は許さない!お前の自由は今日ここで終わりだー!』
私は最後の力を振り絞って王に攻撃をし始めた。
『弱いな!』
王は余裕があるように私の攻撃を避けていた。
私は最後まで諦めなかった。
けど、無理だった…。
私は目を閉じ、その場に倒れてしまった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!