私は、しばらく、頭が真っ白だった。
そして、もう一度、血塗れの、床を見ようとした。
けど、怖くて、見る事が出来なかった。
だから、顔を下に下げる途中で、顔を上げてしまった。
その時、床の血が揺れた。
なぜ揺れたのか、不思議で怖かった。
私は、何も動いてない。
その時、足の方に、何かの気配がした。
その時、足首を捕まられた。
私は、床を見る時、震えてしまった。
そして、見てみると、閻魔の腕だけが私の足首を捕まっていた。
私は、驚きで、心臓が止まるかと思った。
腕だけってのが、とても怖かった。
けど、気になる気持ちもあった。
だから、見てみた。
すると、閻魔の他の部分は、私から少しだけ離れた場所にあった。
その時、閻魔の腕が、私の足を何処かに、引っ張ろうとしていた。
だから、私は、その腕を振りほどこうとした。
けど、中々、離れなかった。
私は、手で持つのが怖かった。
だけど、もう手を使わないと、振りほどくことができない気がした。
だから、私は、手を使った。
無事に振りほどけた。
けど、閻魔の腕は、ベトベトしていた。
気持ち悪くて、怖かった。
腕だけなのに、閻魔の腕は、まだ動いている。
私は、早く離したくて、閻魔の方へ投げた。
そして、気づいた。
自分が血まみれになっていた事に。
閻魔の腕をとるのに、夢中になってしまった。
だから、気づかなかった。
神様か閻魔か分からない血が足や手、顔などに付いてしまっている。
私は、早くこの血を取りたかった。
誰の血か分からない血なんて不気味で怖い。
そう思っていた時、またあの腕が、こっちに来た。
私は、もう来るなと思った。
だから、言った。
『来るな!来るな!来るな!』
けど、腕は来た。
そして、目の前まできた。
私は、何も武器を持っていない。
だから、手を使うしかない。
けど、もうあのベトベトしたのは、触りたくなかった。
その時、声が聞こえたした。
でも、なんて言っているか、分からなかった。
聞いた声は、聞いたことがあったような気がした。
考えていると、分かった。
神様の声だ!
私は、すぐに神様の方を見た。
すると、少しだけ、動いた。
私は、ずっと見ていると、気づいた。
私は、手で何かを伝えようとしているように思えた。
けど、何を伝えたいのかは、分からなかった。
その時、背中に、何かが、登ってくるような気がした。
そして、背中を触ってみた。
すると、ベトベトしていた。
私は、ベトベトって事で分かった。
閻魔の腕だ。
でも、何処にいるか見つからなかった。
きっと、捕まえようとしている手を避けているのだろう。
そう思った。
その時、背中にベトベトで冷たい物が入ったような気がした。
私は、大体予測がついた。
やっぱり、閻魔の腕だった。
私は、すぐに出そうとした。
けど、中々、背中から離れなかった。
その時、上から腕が、出てきて、首を絞めてきた。
私が、はずそうとしても、はずれなかった。
どんどん、苦しくなっていった。
その時、ひらめいた。
もしこれが、少し離れた閻魔の本体の考えで、動いているとしたら、少し離れている閻魔の頭を殴ればと思った。
私は、息ができなくなる前に、少しづつ前に進んだ。
でも、その時、閻魔の腕が首から離れた。
神様が、閻魔の頭を手で殴っていた。
私は、ぎりぎりだったから、助かった。
けど、その後、神様の動きが止まった。
私の為に、力を使ってくれたのだろうか。
私は、感謝の気持ちと、申しわけない気持ちが湧き上がってきた。
私は、すぐに神様に近づいた。
すると、何か言ってきた。
『薬、それを失くしたの。何処かに、落ちているはずだわ。探してくれないかしら。それがあれば、回復するの。』
そう言って、また目をつぶってしまった。
私は、誰かがいて欲しかった。
けど、血の中に手をいれて探すのも嫌だった。
その後も、悩んだ。
その結果、私は、薬を探すことにした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!