…数分後、ようやくおさまった二人は、わたし達と向かい合わせに正座していた。
あ、こちらこそよろしくお願いします…と、二人で頭を下げる。
一見文字だけじゃ、わたし達が冷静な態度をとっていると思うけど、実は頭の中じゃ疑問がグルグル渦巻いている。
…今思ったんだけどさ、昨日聞こえたあの声、ひょっとしてこの子達じゃないの………?
あと…
…あんた何者なの?
この意味不明な教室のこと知ってるし、なんか言葉使い違うし、この子と仲よさそうだし。
ほら!この口調、前のマイペースな喋り方とは全然違うでしょ?!
何かあるよ!絶対に!
い、いや…わざわざ様つけなくても…
また二人だけの会話になっていたので、わたしは思わず口を突っ込んでしまう。
わたしの声にハッとしたらしい二人は、慌ててわたしを真正面から向き合って正座をする。
…だから、何で敬語なのさ?
二人は、少し気まずそうに顔を見合わせた。
草菜は少し厳しい目つきでこう言った。
〜作者からコメント(本編とは関係ありません)〜
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。