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第1話

Chapter 26
6,226
2017/11/28 09:43
ご飯を食べ終わったあと、少しゆっくりして私は帰ることにした。

「んじゃあ、そろそろ帰ろうかな。明日学校あるし。」

「おう。送ってく。」

「ありがとう。」



私はコートを着て、ドアを開ける。

ふと、廊下を見ると…

ええええ!?

私は急いでドアを閉めた。

「どうした?」

「しっ!」

急いで先生の口を押さえた。

そして私は、先生の耳元でコソコソと言う。

「あ、青木先生が…。」

「は?なんでだよ。」

先生も私に合わせて小声で言う。

「わかんないけど…」

すると、ドアがノックされた。

「あなたちゃん??今のあなたちゃんだよね?なんで直樹の部屋に居るのかな?」

ヤバい…。

「ど、ど、どうしよう。」

「黙っとけ。」

そう言うと、大きな声で、

「あ?何?あなた?」

と言い出す。

「うん。今あなたちゃん居たよね?」

「居ねーよ。」

「じゃあ今すぐ開けて?と言うか開けられるよ?」

急いでドアを閉めたものの、鍵を閉め忘れていた。

「それは…。」

先生が少しためらった。

すると、私のスマホが震えた。

誰?

「ほらやっぱり。居るんじゃん。」

え…??

なんで知ってるの?

「さっき、学校で千紗ちゃんから教えてもらったんだ。色々聞きたいことあったから。」

「はぁ、」

先生はため息をついて、諦めたようにドアを開けた。

ここまできたら隠せないしね。

「やっぱり。で、何してたの?」

「飯食ってたんだよ。」

「2人で?」

「そうだけど?」

「ふーん。いやらしい事はしてないの??」

「してねーよ。生徒にそんな事するかよ。」

「ふーん。じゃあ…生徒を自分の家に呼んで一緒に飯食うとかするかよ。」

青木先生は先生の真似をしていった。

すると先生は口ごもった。

「それは…」

「まぁ、いいや。これは借りとしておくよ。」

これ以上言っても何もならない事を察したのだろう。

「今から帰るの?」

「はい。」

「そう言う事だ。じゃあな。大和。」

と言いながら、私と部屋を出て、鍵を閉める。

「えー、送ってよ。」

「家近いだろ。」

「それはあなたちゃんも同じだろう?」

「あなたは女子だろ。」

『お前がそう言うとは思わなかった。』

2人の声が重なった。

青木先生は、私が女子だから家まで送っていく。って言うことに対して。

先生は、青木先生は女性思いなのに、女性を送らないことに対してだと思う。

なんだか意外と…

「仲良いんじゃないですか?」

「でしょ〜!?」

「は?な訳あるか。」

青木先生は先生に飛びつき、先生は嫌がってた。

うん。何だかんだ仲良いんじゃない?

「ほら、あなた。行くぞ。」

「う、うん。」

急に名前を呼ばれるとドキッとする。

「えー。結局送ってくれないの〜?」

「お前の家、マンションの隣だろ?送るも何もない。」

近っ!

「ちぇー。まぁいいか。」

と言いながら、一緒にエレベーターに乗り、下に着いた後別れた。

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