第38話

Chapter 38 ー先生目線ー
6,065
2017/12/07 08:31
ー先生目線ー

ドサッ

何かが落ちたり、倒れたりするような音が聞こえ、ふとそちらの方を見る。

あなた…?

そこに倒れていたのはあなただった。

体全身がカッと熱くなった。

「藤咲さん!?大丈夫ですか!?」

急いで駆け寄ったが、返事はない。

それに…

「熱い。」

こいつ…。

「保健室に運びます。小林さん(千紗)、藤咲さんの荷物を保健室まで持って来てもらえますか?」

「わ、わかりました。」

親友が倒れて、気が動転しているようだった。

「よっ。」

はぁー、今の女子はこんなに軽いのかよ。

ちゃんと食べてんのか?こいつ。


俺はあなたを抱えながら足で保健室のドアを開ける。

「ど、どうしたんですか!?」

保健の、永井先生が言う。

「藤咲さんが倒れてしまって。熱があるみたいなんです。」

「なるほど。あの、ちょっと私今から出なきゃ行けなくて…。」

トレンチコートを着ているから、今から出るところだったのだろう。

「あ、そうですか。わかりました。風邪ですかね?」

「そうですね。ちょっと、ベッドにお願いします。」

俺はベッドにあなたを寝かせる。

すると、コンコンと小林が入ってきた。

「あなたの荷物持ってきました。」

「あ、ありがとう。」

「あの、授業の始まる前に頭が痛くて、だるいって言ってたんですけど…。」

と、小林が言うと、永井先生は色々と調べてから

「そうですね。風邪だと思います。熱を計ってこの紙に書いといてください。」

「わかりました。」

「じゃあ、なにかあったら連絡してください。あ、保健室の鍵、ここに置いておきますね。」

「ありがとうございます。」

と、小走りで行ってしまった。

「小林さんもありがとう。」

「いえ、じゃあ、私も何かあれば言ってくださいね。失礼します。」

と、小林も行ってしまった。


「はぁ、あなた。大丈夫か?」

あ、熱計んねーと。

でも、色々見えるし、触っちゃうよな。

えーっと、まぁいいか。

一回見てんだし。

俺は熱を計って、氷を首、脇の下などに入れた。

「いつ起きるか…。あと3時間で総下校だよな。」

時計を見ながら呟く。

もう俺は授業無いけど…起きるの待つか。

俺はあなたの看病をしながら起きるのを待ち続けた。

プリ小説オーディオドラマ