千紗から大量のLINEが来ていた。
文もあるけど、ほとんどスタ爆…。
「おはよー。昨日はごめんね!昨日は本当に具合悪くて…。」
とLINEした 。
すると、すぐに既読がつき、
『あなた!!!!!本当に心配したんだからね!
気づかないうちに死んでるんじゃないかと思ったよ!』
「ごめんね、、でも、今は昨日より全然良いよ!あ、今日は一応休むね。」
『おぉ、よかったね。りょーかい!早く元気になって〜!文化祭も近いし!』
「うん!ありがと!」
次は、陸からのLINEを返す。
((陸は、幼馴染です。一回出て来てます。))
陸は1時間に一回くらいのペースでLINEが来ていた。
「心配かけてごめんね、、今はもう大丈夫!」
陸もすぐに既読がついた。
『お、生きてたのか。』
「生きてますよ〜。」
『お前、なんとなく、風邪になってもすぐ治りそうだよな。頑固だし。』
「最後の一言余計なんですけど!?てか、陸の方がそうでしょ!?』
『今日は休み?』
陸は見なかったことにして言う。
「うん、一応ね。って、話し聞けや!」
『ん?なんの話ですか〜?記憶にないんですけど〜。』
「もう、いい!またね!寝るから!」
『ほーい、早く学校来いよ?』
「はーい、ありがと。」
私はLINEを閉じてから気づく。
「あ、学校に電話してない…。」
時計を見ると8時30分。
セーフだね。
私は学校の電話番号を調べて、かけた。
『はい、〇〇市立桜高校です。』
「あ、えっと、2年1組の藤咲あなたです。」
『あぁ、あなたちゃん。』
あれ…?この声は…。
「青木先生…ですか?」
「そうそう。あなたちゃん、大丈夫?昨日倒れたって聞いたから。」
「あ、ご心配をおかけしました。もう大丈夫です。」
『そう。でも今日はお休みなんだよね。』
「え、なんでそれを…。」
『ん?直樹から聞いたよ?』
「え…あ!はい!そうです!」
そっか、先生が知ってるんだから電話しなくても大丈夫だったじゃん。
「いや、LINEで先生には言ったんですけど、学校に連絡しなきゃ行けないかなぁ。って思って。」
『あぁ、なるほどね。そうだ。今、ちょうど職員会議終わったんだ。直樹隣にいるから変わるね』
私が返事をする前に先生が出た。
出た。と言うか、先生の耳に電話を押し付けられているみたい。
『あなたちゃんからだよ?』
『ちょっと、押し付けるのやめてくださいよ。』
『えー、だってこうしないと話さないでしょ?』
『別に話す用なんて…』
『いいから、いいから!』
「わかりましたから、離してください。』
などと、電話の向こうで言い合っているのが聞こえて来た。
『もしもし。』
聞きなれた声が聞こえてくる。
「えーっと、今日休むって事を言おうと思ったんだけど、すでに先生知ってたね。」
『そうですね。』
なんで敬語?って思ったけど、周りに先生がいるんだから当たり前か。
でも、敬語なんてなんだか新鮮だなぁ。と思った。
「じゃあ、またね。お仕事頑張って!」
「お…じゃなくて。ありがとうございます。では…」
“おう”と言おうとしていたのがバレバレだった。
うふふ、電話って、好きな人の声が近くで聞こえるなんでドキドキしちゃう。
もう、耳が幸せだぁ〜。
なんて一人で思いながら、部屋へ行き、もう一度眠りについた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!